プレゼンと理念 | CEOコラム

プレゼンと理念

先日経営研究会の仲間から「ジョブズのプレゼン」というDVDをいただいた。ジョブズのプレゼンの素晴らしさは分かりにくい商品戦略を分かりやすく説明することにある。簡単な話を難しく話してしまうのが凡人である私だが、このDVDを見て自分でも訓練すれば人の気持ちをモチベートできるプレゼンが出来ると思った。

このDVDで云っていることは「何を売りたいのか」から話すのではなく、「なぜこの商品を売りたいのか」から話すことにより人はより興味を持つという考え方だ。確かに言われてみれば当たり前で、優れた商品でも聞いている人にとっての価値はなんなのか?を常に考えながら聞いている。価値の中にはその人の感情、好き嫌いが当然入る。人は商品を自慢しながら話す人に対し多くの人が拒絶反応を示すが新たな価値創造の話には多くの人が耳を傾ける。たとえそれが多少、鼻につくような表現でもモチベートされていく。

小売店の広告でもこの考えは当然通用すると考える。我社も含めほとんどの広告は売りたいものを前面に出し、なぜ買うべきかは希薄であることが多い。新しい商品が出ればそれを前面に出したいのだが、広告を見た人は「それがどうした。自分にとっては不要だ」とほとんどが条件反射してしまい詳しくその内容を見ることはない。ところがライフスタイルがどう変わるのか、自分と価値観が合うメッセージや表現があればそれに反応する人が多くなってくる。
ほとんどの新商品は、マーケット変化をもとに消費者ニーズに応えるべく開発されている。開発の背景にある経営者の想いは必ず企業理念につながっているはずだ。理念を具現化したものが商品であるならば「なぜ開発したのか」が重要である。マーケットに理念を適合させようとした経営者の想いを広告に表現すれば動機づけられる消費者は格段に増えると思った。

どんな価値創造がしたいのか?会社はその問いかけの深さで業績が決まるということであろう。松下幸之助の言葉「理念が浸透した時その会社は7割成功したと云える」という意味がなんとなく分かった気がする。