私の人生脚本
私が生まれた頃、両親の境遇は自営業で商売を始めたばかりなので 忙しく毎日を過ごしていた。
13番目の末っ子であった父は 子供のいなかった自分の長女に養子に行った。父の両親が貧乏子だくさん
で実の兄弟が苦労するなか 比較的愛情に恵まれ 大学にまで進学させて貰った。しかし父の心のどこかに
両親から捨てられたと云う寂しい気持ちを今でも潜在意識の中に持っているに違いない。
そんな中、父の価値観は「この世で信用できるのはカネしかない!」となったに違いない。
一方 母は9人兄弟の末娘で 中学卒業後すぐ親が経営する魚屋で働いた。父と結婚した後は学歴コンプレックスを跳ね除けるためか懸命に父の仕事を手伝い商売を軌道に乗せるのに大きな貢献をした。
私の幼少期はおそらく仕事をしている母の背中で泣くと叱られる毎日だったと思われる。
4歳から6歳になり物心付く頃には 仕事を手伝わされた記憶が鮮明にある。
「男は仕事で成功すべき」 「男は金があってこそ社会から認められる」
いつしか私の潜在意識が当たり前のように そんな価値観を受け入れていったに違いない。
今から思えば 父は自分を捨てた親のようになりたくなくて必死だったと思う。
つまり自分の人生脚本を自ら書き換えたのだ。
そして私も49歳、商売も広告業に業種転換し、年商は比べ物にならない規模になったが、価値観は父を引き継いだままであった。しかし、カネも大切だが世の中にはカネで買えないものはたくさんある。特に人の心と人生ビジョンは自らが意識し努力しなければ自分の中に根づかない。世の中に本当に価値あるものを商売を通して提供してゆく事こそ会社の価値を高め 社員さんの価値も高めることになる。そのためには自らと社員さんの価値を認め、変わり行く市場の中で輝くダイヤのような普遍の価値を見出す事が大切だ。
本当の価値とは社員さんと自らの可能性に気づき、それを信じて、社会に貢献出来るわが社の強みを後世に残す事に他ならない。
カネは後からいくらでも付いてくる。人生脚本の書き換えは今始まったばかりである。