column410 日野原 重明先生
久しぶりに人の話を聞いて勇気をもらった。
今年の新春セミナーでの話である。
今年で98歳。
聖路加国際病院の理事にして名誉院長、無類の子供好きで自らの思いを多くの子供たちに託す。
今なおスケジュールは2,3年先まで一杯だという多忙な日々を送り、最近まで睡眠時間4時間半、週に1度は徹夜するという生活だったらしい。
しかも先生は講演の90分間立ちっぱなしの熱演ぶりであった。
なぜそんな超人的生活が100歳近い年齢で可能なのか?
彼はよど号ハイジャック事件(1970年)に遭遇してから空港で地面に足が付いたときから自らの生き方を変えたのだという。
人の為に生きる──どうせ一度はなくした命だと思い、残りの人生を人の為に生きようと決心したという。
そしてこれから自分の本当の人生が始まると確信したという。
今でも分刻みで患者の回診・会議・学会・講演会と飛び回る。
移動中ですら本の原稿を書き続ける。
普通の98歳なら自分のことを話したくても上手く話がまとまらなかったり、人が聞くのに耐えられないと思う。
しかしこの人は講演会の依頼が3年先(101歳)迄きているという。
老人のつぶやき・思いが人の役に立つ、人もそれを望んでいる、そんな社会が理想だと思うが、これを実現しているトップランナーであることだけは間違いなさそうだ。
人に尽くすことは自分のためになると改めて教えられた一日であった。
