column399 投資スタンスの転機
今、投資は事業にしろ個人金融にしろ忌嫌われている。
事業への投資は好景気に戻れば今後ビジネスの伸びる部門へ実行することは誰でもやる。
しかしカネがカネを生む世界に投資することは今も好景気の時期も多少罪悪感が伴う。
なぜだろう。
保険・銀行など、金融は全てカネにカネを生ませるビジネスだが、運用部門になるとマネーゲームになる。
今の世界金融恐慌は、実体経済とかけ離れた金融工学に基づいたデリバティブ取引が問題視されている。
デリバティブ(金融派生商品)のひとつで、現在世界に7,000兆円という日本の国家予算の何十倍の規模のCDSが、巨大な損失を内包し破裂寸前の状
態にある。
「カネさえあれば幸せになる」という幻想的考えが根底にあるに違いない。
本来個人ベースで人や会社に投資する場合、相手の信用力や将来性そして何より共有する夢・ビジョンがあることが前提となる。
私も投資スタンスが「カネさえ儲かればよい」に知らず知らず傾いていたように思う。
企業の理念、それに基づくトップの考え方、事業内容への共感、社会性の有無を充分考慮した投資に切り替える大きな転機にしたい。
そんなことを考えている間に世界中の国で表面化しないようにしていたCDSがいつ爆発するのか見当もつかない。
しかしビッグバンは安心した頃にやってくる。
会社もそんな状況を見越していくつもの戦略オプションを用意しておかねばならない。
※CDSとは
クレジットデフォルトスワップ(Credit default swap)の略。銀行がリスクのある顧客に金を貸すときにかける保険のこと。AIGはその保険引き受け手の最大手だった。