「全員止める」が正しいのに通らない理由
「全員に閉鎖すればいいんじゃないか」
この話、理屈だけ見ると筋は通ってるんですよね。
むしろかなり綺麗な解決策に見える。
でもこれ、現実でやるとかなり危ない賭けです。
今起きてるのはシンプルで、チョークポイント握った側のゲーム。
ホルムズ海峡みたいな“詰まりやすい場所”を押さえて、
・誰を通すか
・誰を止めるか
これを決めてる。
普段の市場は、売る人と買う人。
でも今は違う。
通す人と通れない人。
この時点で、ルールが変わってる。
で、この状況だと、イランは強い。
なぜか。
選べるから。
中国は通す、インドは条件付き、
敵は止める。
つまり、モノを売ってるんじゃない。
「通っていい権利」を売ってる。
ちょっとズルいけど、これが現実。
で、ここに出てくるのがこの案。
「じゃあ全員止めたら?」
やってることは単純で、
選別を無効にする。
全員止めれば、
特定の国だけ得する構造が崩れる。
さらに面白いのがここで、
圧力の向きが変わる。
今までは、
世界 → イラン(開けろ)
でもこれ効かない。
イラン、そこまで困ってないから。
でも全員止めると、
中国・インド → イラン(開けろ)
つまり、敵じゃなくて「お客さん」に圧力かけさせる。
ここまで、めちゃくちゃ合理的。
ただし問題はここから。
これ、世界を巻き込む。
・原油上がる
・物価上がる
・物流詰まる
みんな普通に困る。
しかも厄介なのが、困り方に差がある。
イランはもうしんどい状態だから、多少の悪化は耐えられる。
でも日本や欧州は、ちょっと崩れただけで空気変わる。
ここで逆転が起きる。
理屈は正しいのに、政治的には持たない。
さらに言うと、
これ実質「海の封鎖戦」。
船止めるってことは、いつ衝突してもおかしくない。
で、ここから人間の話。
よくあるよね。
「公平にすればうまくいくでしょ」
ってやつ。
でも実際は逆で、人は公平、そんなに好きじゃない。
なぜか。
今まで得してた人が損するから。
「なんで自分まで?」ってなる。
だから、正しい改革ほど揉める。
で、もう一段えぐい話をすると、
人は“不公平”より“損すること”に敏感。
だから、全員平等に苦しくなる案は、通りにくい。
ここ、構造です。
コメントの「急がば回れ」。
これも半分当たってて、長期では効く。
でも短期では、先にぐちゃっとなる。
で、結局ここに戻る。
人は合理で動かない。
理屈だけ見れば、
全員止めるのが一番筋がいい。
でも現実は、
耐えられるかどうかで決まる。
痛いの嫌だし、不公平も嫌だし、
すぐ結果欲しいし。
だから、正しくても通らない。
ただ、この案の面白いところはここ。
ただ止めたいわけじゃない。
「ルールを戻そうとしてる」。
今は、例外だらけの選別の世界。
それを、一回全部同じ条件に戻す。
まあ、やり方は荒いけどね。
でも秩序って、
一回壊さないと作り直せない。
これもまた事実。
で、最後に残る問題はこれ。
その痛みに耐えられるか。
誰がそれを引き受けるのか。
ここを避けると、また中途半端に戻る。
構造は正しい。でも人間がもたない。
なんかそれが、今の限界っぽいよね。
