結論から言う。
この記事が指摘する
「言論統制・監視社会」は、
対外強硬の燃料にもなり、国内不満のフタにもなる。
だから中国の対日世論が
急に荒れたり、急に静まったりするのは、
感情の爆発ではなく、政策都合で調整されていると見る方が自然だ。
問題は、日本側がそれに
毎回、感情で付き合ってしまうことにある。
■ まず事実の骨格から
中国の言論環境が厳しく統制されている。
これはもう、評価が割れている話ではない。
国際的な指標では、中国のネット空間は
「世界最悪級」とされ続けている。
要点はここだ。
- 情報は自然に拡散するのではない
- 拡散しやすい方向が、制度的に作られている
だから
「日本は悪い国だ」
「日本は危険だ」
という言説が“自然発生”したかどうかを議論するより、
👉 そういう言説が増幅しやすい構造かどうか
を見る方が、はるかに現実的だ。
そして現実は、
増幅しやすい構造が整っている。
■ 反日は「本音」か「道具」か
ここが一番の勘違いポイント。
独裁体制がよく使う手法は、だいたい同じだ。
- 経済が重くなる
- 若年雇用が不安定になる
- 不満が内側に溜まる
- そこで「外の敵」を置く
- 批判の矛先を外へ逃がす
- ついでに監視と統制を正当化する
この一連の流れ。
つまり反日は、
「心の叫び」というより、
政治のツールとして使われやすい。
本気かどうか、という問い自体がズレている。
必要なら強める。
不要なら弱める。
それだけの話だ。
■ コメント欄の“数字の殴り合い”は要注意
よく出てくるのが、
「文革で◯千万人が死んだ」
という言い切り。
ここは冷静でいたい。
中国史の大量死は事実だが、
数字は期間・定義・資料制約で大きくブレる。
- 文革期の迫害・暴力
- 大躍進期の飢饉
これらは性質が違うし、
研究者の推計も幅がある。
だから政策論で一番強いのは、
👉 数字で殴ることではなく
👉 構造で説明すること
情報が遮断され、
責任の所在が曖昧で、
修正がかからない体制。
この構造こそが、
最も危うい。
■ 日本がやるべきことは「怒る」ではない
ここからが実務の話だ。
日本が毎回やりがちな反応は、だいたい二択。
- 「けしからん!」と怒る
- 「中国はもうダメだ」と見下す
どちらも、相手にとってはありがたい。
凡笑的に言えば、
感情で動く相手ほど、操作しやすい。
だから日本がやるべきは、これ。
① 中国の情報環境を前提にする
向こうの世論は、政策で急に変わる。
そういう前提で、日中関係を運用する。
② 経済安保は“脱中国ごっこ”をしない
全面撤退はコストが先に日本に来る。
やるのは、依存の形を変えること。
③ 発信は第三国と市場へ
統制下の中国国民に直接届かせようとしない。
法とデータで、淡々と外へ。
④ 国内は分断させない
親中か反中か、という殴り合いは
一番、外を喜ばせる。
■ 凡笑の結論
反日は感情ではない。
機能だ。
だから、日本がやるべきは
「相手の感情を読むこと」ではなく、
- 依存を下げる
- 制度を固める
- 分断を避ける
これだけ。
相手が怒鳴るかどうかは、
こちらの設計とは別の話だ。
凡笑は今日も、
「声の大きさより、制度の硬さだなあ」
と思いながら、ニュースを閉じるのである。
南無阿弥陀仏
