仕事帰りに、オフィス街が一望できるビルの最上階にあるバーで、サエコと待ち合わせした。
クラフトビールに豚ロースのソテー。
蜂蜜とフランボワーズのソースが甘酸っぱい。
今日は思ったより早く仕事が終わったので、ここに来る前に珈琲専門店に立ち寄り、
最高級の豆を買った。
臣くんが訪ねてきたら、美味しい珈琲を入れよう。
馬鹿だな、私…
もう二度と会えないかもしれないのに…
グラスを傾けビールを喉に流し込む。
無意識に唇を触る。
消えないキスの余韻…
店内にあるスクリーンに映像が写し出されている。
いつもはサッカーの試合とかが流れている。
今日は民放…
CMが賑やかで、少し耳障りだな…
静かに余韻に浸っていたいのに…
サエコ、遅いな。
スマホを取り出しLINEをチェックする。
そうだ。
レンタル彼氏のサイト…
ググってみると、二日前にもサイトを開いた形跡があった。
やっぱり私、半分寝落ちしながら登録したんだ…
ログインしようとした時、突然後ろからハグされた…
to be continued…