ベッドの上に並んで腰掛けて、直人の胸で泣きじゃくっていたまりあが、ようやく顔を上げた。
「まりあ…」
「なおちゃん、…明日、自分ちに帰るね」
「そんなこと…ダメだよ!守りきれなくなる…」
「ここにいちゃみんなに迷惑かける」
「隆臣くんだって、あんな事件があったばっかりだし…」
「もし、なにかのきっかけで、彼が隆臣くんに接触したら…」
「悪い風にばっか考えちゃダメだって」
「でも…彼は常識では理解できる人じゃない」
「私が戻ることで彼が落ち着いてくれるのなら、そうするしか」
「そんなことしたら、俺といた事を責められて、まりあが酷い目に合うに決まってる」
「それでなおちゃんや隆臣くんを守れるなら…」
「一生そうやって、彼に従って、辛い目にあって一人で耐えていくの?」
「君とこうして関わった以上、そんな生活、俺は絶対に許さない」
「なおちゃん…」
「明日一緒に出勤して、園長に事情を説明したら…」
「まりあの言う通りにしよ」
「え?」
「ここは出て、俺ん家で一緒に暮らそう」
「園長に立ち会ってもらって、彼に婚約解消するってはっきり伝えて」
「俺と新しい生活を始めるんだ」
「…なおちゃん、本気?」
「本気だよ」
「結婚を前提に…」
「俺と付き合って下さい」
つづく