今月の我が家の掛け軸です。

 

「無事」

 

これと同じ軸が私の先生のお宅の稽古場に掛けられています。

松井宗雲先生の書です。

私の先生である宗清先生のお父様です。

勿論、私はお会いしたことがありません。

 

ただ、先生のお宅に掛けられている書より若い時に書かれたものらしいです。

 

 

 

お茶の世界では12月には「無事」とか「無事是貴人」の軸が掛けられます。

「無事」とは過失や事故等なく平穏事を表しているのではありません。

 

 

 

「無事」とは外に向かって求める心をすっかり捨て切ったさわやかな境涯をあらわしています。
求める心を捨てるといっても、無気力無関心であれ、惰性で生きろということではありません。
求めなくてもよいことに気づいた安らぎの境地です。
臨済禅師は "悟り" "ほとけ" "救い" "しあわせ" などといったものを頭に描いて、それを自分の外に追い求める愚かしさを厳しく戒められました。

 

 

 

求める心を捨てて、ああしたいこうなりたいといった欲を捨てて限りなく純真無垢な自分と出会う時、無限にして偉大なるものに生かされている自分に気づくことだと言われています。