12月3日土曜日

 

三原のカトリック教会にて聖トマス小崎茶会~パイプオルガンの調べ~が行われた。

 

昼2時過ぎに教会に到着。

 

昼食もまだだったので、食堂のような所で先に点心をいただく。

 

そして礼拝堂へ。

 

滅多に生で聴くことのないパイプオルガンの演奏から始まる。

教会の中で聴く演奏は厳かで聖なる調べである。

演奏者は吉田仁美さん エリザベト音楽大学で非常勤講師をされながらコンサート活動を行われている。

 

お茶は立礼式で、客は礼拝堂の長椅子に座っていただく。

この席を持たれたのは「茶の湯歳時記同好会」の仲間である表千家流の高橋宗登先生。

 

いつものお茶会とは趣向が変わっていて面白い。

 

さて今回の茶会の中心であるトマス小崎は伊勢出身で日本26聖人殉教者の一人である。.

 

両親と2人の弟もキリシタン。

フランシスコ会の協会が建設される時に手伝いをして、リバデネイラ神父から同宿になってはどうかと勧められ、修道院に入りました。

 

1597年冬、禁教令下、手足を繋がれた26人のキリシタンは京都から長崎へ約900kmの殉教の途にありました。雪が舞う三原城では慈悲深い小早川隆景公が食と薬、一夜を与えたそうです。その中に14歳のトマス小崎少年もいました。三原城内でトマス小崎少年は伊勢に居る母に宛て手紙を書き、一緒に殉教の途にいた父に手紙を預けて母に届くように願いましたが、残念ながら届くことはありませんでした。その手紙は殉教した父ミゲル小崎の襟元より発見されました。この手紙はルイス・フロイスによってポルトガル語に翻訳され、イエズス会ローマ文書館に保存されています。

 

トマス小崎 母への手紙

「天主の御めぐみにより一筆したため候。肥前への道は難儀多く候へども耐えることは御教の如く真理を貫くことに候へば、先で十字架に架かることあれど、いささかも悔ゆること之無く候。バードレ様方に従い、父様ともども映えの御召しに感謝しつつ歩く毎日にて候へば何卒私どものことは放念あるべく願上候。母様方にはバードレ様不在なれど常の如く天主への感謝の祈りと御諚に従うことを心がけ到されば必ず御救い之有りと思召し下されば何よりと存じ上げ候。今度相会うはパライソ、お待ち申し上げ候。なお弟たちの信仰をよくお導き下さるよう、近き方々には日にちの行い悔なきよう務めること肝要とお伝え願い上げ候。」

                                  安芸国  三原の城より 十二月二日