お茶です^^
表千家の許状の中に「組合点」というのがあります
一般的に「組み合わせ」と呼んでいるこのお点前は建水が主役です
建水と言うのは茶碗をすすいだ後の汚れた湯や水を捨てるものです
要はゴミ箱のようなものですね
お茶席でお茶を点てる時には客から見えない様に点前座に持って入ります
他の道具は客からはよく見えますが、この建水はやっと少し顔を覗かせられるかどうかというくらいに亭主の陰に隠されています
なにしろ日陰者です
この建水が客の目に止まる時があります
風炉の点前で説明をします
風炉の濃茶点前で諸飾りと言うのがあります
長方形の板の上に左に風炉と釜、中央に火箸と柄杓を入れた柄杓建、その柄杓建の前に蓋置きを入れた建水、そして右に水指を板の上に飾られていますが、客から見たら水指が邪魔で建水の全体が見えません
よく見えるのが「組合わせ」
これは建水が名物とか由緒ある物の時に行うお点前です
左に風炉と釜、右に棚です
棚の上に柄杓と蓋置きを置き、下に水指、その水指の上に茶杓と茶巾、茶筅を載せて、前に茶入を入れた建水を飾り付けますが
これも茶入を直接建水の中に入れるのではなく、茶入を茶碗に入れて、その茶碗を建水に入れます
いくら名物とか由緒ある建水でも単独で飾られないようです
そして茶入という道具の中で一番格の高いものを一緒に飾られます
この時、始めて建水が堂々と客の目に入ります
建水の晴れ舞台です
しかし、お点前が始まるとすぐに亭主の陰に隠されてしまいます
いくら名物や由緒あるものでもこの扱われ方です^^
先日行われた表千家同門会備後支部の総会と一般講習の時
濃茶のお点前がこの「組合点」でした
講師の方が「この建水はどのような由緒のものですか」と尋ねられて
亭主役の方がつい面白く「お殿様から頂戴したものです」と返事をされました
そこで講師の方が「じゃあ、このお殿様から頂戴した位の高い建水に茶碗の汚れをすすいだお湯や水を入れてもいいものなのですか?」
「・・・・」
「さあ、どうしましょう」
亭主役の方が困っていると講師の方が
「まあ正客がお殿様であれば、そのお殿様が口をつけられたお茶碗を洗ったお湯だからいいのでは^^」と
聞いていた私はその時、なる程と思いながら
何か引っかかる物があり・・・
その夜から悶々と疑問が・・・
じゃあ正客がお殿様ではなかったら建水に汚れたお湯は捨てられない?
今日、講習で「お殿様」と言われたが、そのお殿様以外でこの建水を使ってお茶を点てるとしたら・・
例えば、ここは備後10万石
お殿様と言えば、福山藩を開いた水野勝成公とか幕末の幕府筆頭家老の安倍正弘とかが思い浮かびますが
そのお殿様を正客に迎えられなかったら、それ以上の格の高い方々
御三家のお殿様、将軍、帝など
お殿様以外ではその方々ではないと使えないという事か
江戸時代には身分の違い等があり、大名への士官があった頃の名残だと思うが・・
現代においてこの建水の格と客の格の取り合わせについてはどのように考えればいいかよく分からない
これからの課題です