誂足袋 以前から気になっていた店です

 

足袋はお茶と津軽三味線で着物を着る時に履きますが、これがなかなかしっくりとこない

指先は詰まったような感覚になるし、かかとや足首はダルダル

 

思い切って2月の中頃に電話をしました

 

3月の連休にでもこれを口実に京都に遊びに行こうと思っていましたが、

 

その連休は「みやこメッセ」で「京に生きづく手しごと展」というのがあって、

30業種くらいの職人さん達の作品展があるらしく、そこに植田さんも参加せれていて、

採寸等ができないということらしい

 

仕方ないので1週間前の第2日曜日に伺うことに

 

 

朝9時に下京区のご自宅に伺う

 

 

職人さんらしく多少の気難しさはあるかなと思っていたが、とんでもない

 

物腰は柔らかく、言葉使いも丁寧 そして気遣いもされて、

私が失礼するとき等JRの駅の途中までお送りいただいて大変恐縮しました

 

電話ではこれから注文して頂いても出来上がりは1年半かかりますと言われていましたが、

 

現時点で約140名の方々が出来上がるのを首を長くして待っておられるようです

 

これ以上は皆さんに迷惑をかけるし素材である上質なキャラコがもう手に入りにくくなっているので、

 

2月いっぱいの注文で後はお断りをしていると言われていましたが、

結局、私が最後の注文者になったみたいです

 

 

この素材のキャラコですが、手に取って見せていただきました

 

 

光に透かしてみると本当に細かい織りです

 

採寸は「文尺」

 

「文尺」とは一文を基準にした寸法の事です

一文の「寛永通宝」硬貨の直径を基準として 約2.4cm

本物の「寛永通宝」とゲージ等を手に取り見せていただきました

十文で24cm ジャイアント馬場の十六文キックというのがありましたが、あれが約38cm

 

木で作ってあるゲージと巻尺は勿論「文」単位です

 

足の長さ、巾、一番幅が広い所の円周、土踏まずの円周、親指の太さ等左右それぞれ十ケ所計測します

 

私の足は右足の方が左足より若干大きい、他の指より親指が長い、足首が細い等の特徴がありました

 

 

そして足袋の履き方を教えていただく

 

これはお家元であろうと、どなたでもしていただいていますとおっしゃっていました

 

一 足袋を履く前に必ずかかとの部分を3cmほど折り返す

 

   表地の縫目と裏地の縫目が直線状になるようにする

 

二 折り返した部分の両端を両手で持ち、指先をしっかり入れる

 

   この時に甲の縫目が親指側にくるようにする

   親指と人差指の間を見れば分かると思うが、其々の付け根から筋が出ている

   この親指の付根の筋に甲の縫目を合わせると親指と人差指の股も痛くなく、股や巾にもシワが

   入らなくなる

 

三 裏返しになったかかと部分をしっかりと引っ張り上げるようにして、足を全部入れる

 

 

四 かかとを床につけるか、脚を倒して爪先をスネに向けるようにする

 

 

五 履いている足と同じ側の手の平と親指を使い、内側の生地を足首に巻きつけるようにして、

 

   反対側の手で甲馳を下から順に掛けていく

   この時、底の部分も足の裏を包むように引っ張っていけば尚いい

 

足袋の洗い方は

 

決してクリーニングには出さず、家でつけ置き洗いをする

 乾かす時によく叩けば、履く時に自身の体温で伸びるのでアイロンは不要

 乾いた後、履く前に底の生地を斜め上下に四~五回強く引っ張れば履きやすい       

   

 

実はこの足袋は最低6足からの注文です

 

私はお茶と三味線の着物の時だけですので、6足もあれば多分一生持つと思う

 

1年半待ちと言われていましたが、

 

とりあえず2ケ月後に採寸通りの足袋を作ってお客の元に送り届け、

1週間履いてみて感想を聞いて細かい修正をして作るというやり方です

 

私には植田さんは作ったらお電話を差し上げますので、

 

都合がよければ京都に来て履いてみて修正をしてみましょうかとおっしゃって下さったので、

その時は是非伺って調整していただきたいと思います