英語には、関係ありませんが、アメリカの大統領選感想をいくつかのメーリングリストに実名で返信のかたちで流しました。記録だけしておきます。

要因)結果を左右したのは、投票日直前のFBIのメール捜査と起訴せずの決定と思います。一度僅差となった支持率も、起訴せずで、クリントン氏優位に開き、もうまさかトランプ氏はないだろうという状況での投票日は、イギリスEU離脱国民投票と共通しています。
消極的クリントン氏支持、EU残留支持の人は安心感から足が遠のく一方、現実生活に不満な人々は、その不満のはけ口として、それを可視化のために、トランプ氏に投票する、EU離脱に投票するという構図です。それまでの下馬評からすれば、自分でトランプ氏に投票したり、EU離脱に投票しながら、まさかそんなことにはならないだろうが、少しでも僅差にさせて現状に不満があることの意思表示をしたいというかたもいらしたのではと想像致します。

今後への懸念)
1.今回、ツイッターでも貧困問題に関心のあるかたでトランプ氏支持のツイートをされているが何人もおり驚きました。1%の仮想敵を作り99%の利益を目指せという主張はわかり易く、また感情に訴えるところです。しかし、一度1%認定した相手には、投票したくなくなってしまう。敵の敵は、敵よりまだましで期待が持てるという思考は、心情的にわかりますが、私には同意できません。仮想敵への不満が社会に蔓延し、100%の人々の幸せを求められない社会になることを危惧致します。

2.世界が内向きになるという言葉は新聞紙上でも見られますが、懸念されるのは、人権問題への内政不干渉方針の拡大です。
直近、オバマ政権とフィリピンのドゥテルテ大統領の雰囲気を悪くしたのは、ドゥテルテ氏の自警団による超法規的殺人への懸念表明でした。
シリアでの反政府デモへの弾圧も、国内の民主化運動懸念のあるロシア、中国はアサド政権に寛容な姿勢を示し、オバマ政権は関わりたくないながらも、化学兵器使用など見過ごせない問題には介入しました。
私は生まれた地によって、極端に理不尽な対応をされている人たちがおり、それが見過ごされていることをとても危惧しています。
日本国内問題への関心も重要であると理解しますが、戦時下のシリア情勢や圧政下の人権問題は、現実に人命が失われている点で、レベルが違う重要さだと思うのです。
国境という枠や、その他自分の中で設定した枠の中での自治や自由、平等を目指すのであれば、他人ごとではあるのですが、世界は一つ、人の命や人権は、どこであり尊びたいという思いからは、これを見過ごすことに大きな罪悪感を感じます。まあ、現実に何もできないわけで、自分はこんなことを考えているよというだけの、これも自己満足なのですが。
アメリカやイギリスが他国の人権問題を云々しないとなると国家間の軋轢は少なくなり、紛争は少なくなるかもしれません。その分、人は出生により制約される世の中になっていくような気もします。
マッチョ同士が衝突したら怖いですが、それは何とか避けてくれるのでしょうか。マイケルムーア氏が、トランプ氏に核兵器のボタンを持たせるリスクを1%対99%の闘いに優先させ民主党応援をしていたようですが、そうそう容易に核兵器のボタンは押せない...と良いですね。
ありたい世界が示せず、なかなか厳しい時代への一歩となるかもしれませんが、早く世界中が平和で豊かになることを祈念したいと思います。来年が皆様にとって健康で良い年になるように。