雅は私を見てはくれない。


その心の奥にあるものは見えない。


私の隣にあるのはただの抜け殻で、

その抜け殻にすら、

怖くて私は自分から触れることができなかった。


雅から手を伸ばしてくるのを密かに心待ちにしていた。

けれど、

その手はもう二度と私へは伸びることはないし、

その愛おしい抜け殻を見ることもなくなった。



一人になると死にたくなる。

悲しくて、寂しくて、もう消えてしまいたいと思う。


もういっそのこと私を殺してほしいと

何度も願った。


涙は次第に出なくなっていた。


ただただ、廃墟のような心だけが残って、

何をやっても虚しくて、何をやっても満たされることはなかった。