今度の休み、天気良さそう~っていうことで、コージが休みも合せてくれたことだし、
どこに行こうかな・・と考えて、まだ行ったことのなかった白川又川・塩ノ谷を思いついた。
塩ノ谷は、大黒河谷の枝谷だが、林道からさっそく滝が掛かるのが見えていて、気になっていた。
しかし、本流は無論のこと、岩屋谷、茗荷谷、十郎谷、中ノ又谷、火吹谷と名立たる支流を抱える
白川又川流域では、やはり最後に残される存在に違いなかった。
林道崩壊地はまだ。
ゲート前の広場に駐車し、林道を歩き始める。前日雨が降っていたのか、水溜まりがあり、
路面がしっとり濡れている。今日も、午後から夕立になるとの予報。見上げると、曇り空。
思ったほど、天気は良くなさそうだ。
林道はアスファルトなので、快適。ゆるやかに高度を上げて行く。十郎谷を見下ろす橋桁でひといき。
「あそこ登ったなー」と、話す。コブキ手前の崩壊地は、修理されてなく、高巻きの作業道を進む。
崩壊は更に進んでいて、作業道は延伸されていた。二つ目のトンネルを抜けると、大黒河谷沿いを
林道は巻いていく。2時間はかからずに塩ノ谷出合に到着。
入ってすぐ15m。
簾状20m。
多段15m。
入谷すると、さっそく多段15mが掛かる。登れそうだが、「う~ん?思いっきり濡れそう・・」ということで、
高巻く。曇っているので、期待したほど気温は上がらず、二人とも消極的。その上の5mを越えると、谷は開けて、
簾状のナメ滝を掛ける。20mはありそうで、二条となって、裾野で合わさる。その美しさに声を上げた。
ここは右側を登って、直登。上には6mが続くが、ドシャワーになるので、右岸を巻くと、ナメの先に多段の滝
が掛かるのが見える。近づいてみると、大きく二段で構成されている。下段はナメ、上段は三条の流れとなっている。
ナメは容易にこなし、上段は右隅を突っ張りで越えた。ここから先は、小滝やナメがちらほら、河原となり、
ひと休止となる。
7mは左側を登る。
大滝。
河原が終わると、7m。左側をへつり、クラックを直上する。そこから、釜と小滝を連ねる、ちょっとしたゴルジュと
なるが、濡れるので巻いてカットした。すると、左岸にルンゼ状の滝が掛る。いや、それも本谷からの流れで、
そこで谷が右に大きく屈曲し、インゼルとなって、流れが二手に分かれていた。右岸に枝沢が入り、小滝を掛けている。
『大峰山脈の谷』では、これを左俣と表記しているようだが、地形図見ても、実物見ても、枝沢だ。なので、
間もなく大滝が登場したことに驚いてしまう。『大峰』を見た記憶では、右俣に大滝があったからだ。
「う~ん、まだ上流に大きな滝があるんだろう」と、コージと話す。下段は左側を登り中段で右上する。上段は垂壁に
高巻くしかなさそうなので、左岸を巻いて頭に立った。大滝の上はナメが続く。両岸の山腹もなだらかで、
すでに源流の雰囲気。コージが、「もう大滝なんてないんと違うん!」と、言う。「いや、そんなことない!」と、
言っている間に二又。二又には台地があり、瓶の破片やトタンが転がっていた。
計画通り、右又を進むが、完全な河原となり、谷間から稜線を見やることができた。
もう、大滝なんて、絶対出てこない渓相だ。
右俣を進む。
檜とコージの2ショット!
1348mピークにて。
『大峰』の溯行図を見て早とちりし、わざわざ何もない右又を詰めて、遠回り。。でも、滝だけが沢じゃない。
辺りの自然林がとても美しかった。一晩過ごしたい場所だ。
右又に入り、右岸に二つの谷を見送ったところで、尾根に這い上がる。二次林のようだが、時折、巨木も
見掛けて、コージは大興奮する。巨木を見掛ける度に、「シブちゃん、写真撮って!!」と、五月蠅い。。
しかし、五月蠅いのはコージばかりでなかった。いつの間にか、ブヨの群れが顔の周りを浮遊していた。
立ち止まっていたら、ヤツラの思う壺だ!!
詰め上がった1348mピークは、台地状のピーク。昼休みとし、パンを齧る。なんだが朝から登りになると、
息が上がってしんどかったが、この時には復調していた。氷ノ山の八木川源流行った時も、同じ症状だったが、
水をガブ飲みしたら、復活した。今回もそうかもしれないと、持ってきていたお茶をガブ飲みしてみたのだった。
地面に転がっていた看板を立て掛けて。
さて、下山はまず稜線を十郎山まで縦走する。十郎山からは北の尾根を下り、塩ノ谷出合付近へと降り着く。
・・・はずだったが、最後の分岐の見極めを早まり、塩ノ谷に降り着いてしまった。連滝は、左岸を大きく巻いて、
出合に降り立った。
尾根を歩いていた時には時折、パラパラと来ていたが、本降りにはならなかった。しかし、林道を歩いていると
雷鳴と共に土砂降りに。帰りの車中も、吉野まで猛烈に降っていた。
白川又川・塩ノ谷。私たちのようにすべての支流を踏破した上で、重箱隅突きとして行くならいいが、
そうそうたる渓谷を差し置いて、約2時間の林道歩きをしてまで、訪れる価値があるのかどうかは疑問がある。
どこかの谷とセットにし、下降ルートとするのがいいのだろう。