トビワタリ谷を溯行した翌日、8月19日は台高にエリアを移して今度は、大滝登攀!

 未登の大滝二本立てを予定し、まず最初の大滝を見に行く。だが、この大滝はラインが水流ど真ん中にあり、

もっと減水しなければ厳しいと判断。もう一つのターゲットである小迫谷のF1に向かうことにした。

 

 小迫谷は、小橡川支流・橡谷にある谷で、30m内外の滝がバンバン出てて、

そのほとんどが登攀することができる知る人ぞ知る秀渓。

私たちは2017年に行っているが、F1は登攀の可能性を見出しながら巻いてしまっていた。

その時のレポ↓

https://ameblo.jp/sanryou-to-keikoku0809/entry-12296031760.html

 

実は昨年春にチャレンジしてみたのだが、長時間のシャワーの寒さにめげて帰ってきた。

今回は、文句なしのコンデイションを見ての再トライとなった。

 

 

小迫谷F1。

 

 

 

 小迫谷F1は林道から入谷して、すぐに現れる40Mの滝。中央がもこっと張り出した岩となっており、

そこを簾状に水流が流れ落ちている。ラインは中央のコーナーだ。全2ピッチとなったが、どちらもネイリングあり、

岩の脆い繊細な登攀だった。いずれもコージのリード。

 

 

 

1ピッチ目。

容易なコーナーを登る。

 

 

1ピッチ目。

ハング帯をネイリングで突破。

 

 

1ピッチ目フォロー時の写真。

小テラスから核心のハング越え。

 

 

 

1ピッチ目:

 容易なコーナーをステミングで上昇し、途中で左手のスラブをトラバースし、小テラスに出る。

以前はここで撤退した。コーナーを形成している右手のカンテはここから大きく張出し、ハングとなっている。

一旦、左のスラブに出るが、岩が脆く、何度かハーケンを打ちこむが、アブミを掛けて乗ろうとすると

抜けてきた。(リードのコージの時は行けたが、フォローの私が乗ると抜けてきたハーケンもあった)。

ようやくハーケンが決まり、アブミに乗り込み、クラックにカムを決めたところで、勝機あり。

しかし、岩は脆く、テスティングを何度もした上で、思い切ったムーブでハングを乗り越える。

際どいスラブムーブで、第二テラスに這い上がる。

 

 

2ピッチ目は、剥がれそうフレークバンドを右上。

 

 

 

ハングから階段状を右上。

 

 

水流渡り、左岸の凹角を登る。

 

 

2ピッチ目:

第二テラスから頭を見渡すことはできない。行けるかどうかは、行ってみなくては分からない。

まず、テラスから右に出て、今にも剥がれそうなフレークで形成されているバンドを右上する。

そこから水流集まるハングをネイリングで突破。階段状を右上すると、小テラスに出る。

直上は厳しいので、テラスをトラバースし、水流を渡り、左岸の凹角を登って、頭へ。

 

 

 

 登攀時間は二人で4時間。終始シャワーを浴び続けることになるんで、暑い時期にお勧めだ。

 小迫谷はこの他にも登れる大滝があるんで、これから訪れる登攀渓沢屋には、F1から繋げて、

小迫谷全大滝の完登を目指してもらいたい。きっと充実することだろう。