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         古川・滝谷上流部にて
 
  古川・滝谷かくれ滝を先日登ったばかりだが、今度はかくれ滝を巻いて、滝谷を水源まで溯行してきた。この谷には、かくれ滝以外に未だ登られぬ滝が存在するのか?・・・否!
 
 ゴルジュだけ溯行して、また大滝だけ登攀して、それで沢屋としての仕事が全うされたと言えるのだろうか?たとえ、それが初登(踏)だったとしても。
 
 私たちの沢屋としての拘りは、出合から水源まで、その谷のすべてを見届けること。完結とはそういうものではないだろうか?ゴルジュや大滝は、その谷にとって単にパーツに過ぎない。
 
 池郷川ゴルジュを完全溯行したとしても、また、例えば二ノ俣谷の黒滝を登攀したとしても、池郷川の穏やかな上流部、また、二ノ俣谷のほどんど滝らしいものを見ぬ下流部の巨岩帯を知らなけば沢屋としての大切な何ものかを欠落させたままでいるのではないか?それらはいつでも行けるものなのかもしれない。しかし、今、行かなければ永遠に欠落したままである、沢の要素(エッセンス)だという思いがある。
 
 ということで、私たちの沢屋としての仕事を完結させる為に滝谷のかくれ滝上流部を溯行してきた。大滝上部は伐採による影響の為、谷は荒れ果て、川崎実さんによってトレースされた当時の風貌を保ってはいなかった。
 
 失望の連続のまま水源、そして稜線へ。猛烈だった藪も枯れて、容易に隣の谷を下降する。予想通り、下山ルートに選んだその谷はガレだけの平凡な谷で、悪場もなく古川本流に降りついた。
 
 完結された私たちの仕事。かくれ滝上部の滝谷は、私たちをむしろ落胆と失望させるものだったが、出合から水源まで、滝谷の今を見届けることができた。