明るくなったね | 葛山麓

葛山麓

そして引っ越した!

 明るくなったね、と、言われるようになりました。思い切って髪を赤く染めてから、性格が一変したようだねと、言われるようになりました。
 そんなつもりはないんです。ないんですが、芯は同じ人間でありながら、外に向かって伝えようとするもの、その手段が、少し変わったかもしれません。

 というのはもちろん僕の話ではなく、この人の話。
葛山麓-Black Parade葛山麓-Na Na Na (Na Na Na Na Na Na Na Na Na) MY CHEMICAL ROMANCEのヴォーカリスト、ジェラルド・ウェイですね。
 左が前作「he Black Parade」(2006)の頃で、右が昨年末の新作「Danger Days: The True Lives Of The Fabulous Killjoys」(2010)のときのアーティスト写真です。新作は明るくなる、とは前々から言われていたので覚悟はしておりましたがなるほどビジュアルイメージから激変しましたな。
 だが来日時はすでに髪は黒かったので、白→黒→赤と三段階変化したわけで……と、別に髪の色の話はどうでもいいんだ!(自分で言い始めたくせに)

 問題は作品です。アルバム、これがどうなったか、です。
 素人丸出しの感想文を書くと、『良いとは思う……だが、好き嫌いでいうなら前作の方が好き』になります。もちろん新作は新作で愛聴しておりますし、よくできたアルバムだとは思うのですが、頭をカチ割られるような衝撃は受けませんでした。煮え切らないのであります。「前と同じことはできないしやりたくもない。かといって極端すぎることをすると嫌われるかもしれないし……」という作り手の意識が感じられるようなアルバムとなりました。変化したいという意志と、変化しすぎることへの畏れがせめぎあって、その落としどころを見つけてパッケージしたらこうなった、というところでしょうか。

 だったらもうMY CHEMICAL ROMANCEはアカンのかというと決してそんなことはない。アルバムは売れましたし、ここからファンになる人もたくさんいることでしょう。これでバンドが自信を強め、次作では強力な一手を繰り出してくると私は期待しています。そうすれば数年後には、『過渡期の作品』として本作は評価がまとまるのではないかと。



 なお、ジャケットも大きく変化してます。前作が上で今回が下ね。
ザ・ブラック・パレード(初回限定盤)/マイ・ケミカル・ロマンス


デンジャー・デイズ/マイ・ケミカル・ロマンス