虐待から逃れ、
親に頼れず暮らす子どもたち

家庭内で子どもが暴力を振るわれる、児童虐待。

公的機関などによって保護された子どもが、「親のもとで暮らすのは困難」と判断されたとき、家族と離れ向かうのは、主に児童養護施設です。


しかし、成長とともにのしかかるのが、施設を退所し自分の力で生きていかないといけないプレッシャー。多くの子どもたちが18歳になると児童養護施設を退所していきます。

誰にも相談できない。
社会に放り出される孤独。


例えば「部屋を借りる」「自炊や家事をする」、あるいはバイト代奨学金などを借りて学費を払い、大学に進学する。

あらゆることを自分一人で判断し行動することを余儀なくされ、何か間違いがあっても、すべて自分で責任を負うことになってしまうのです。

実は、お金の貸し借りや騙されて高額な契約を結ばされるなど、トラブルに巻き込まれてしまう若者も、少なくありません。

頼れる家族や相談できる大人とのつながりがなく、孤独の中、社会で必死で生きようとする若者たちも

また、虐待の精神的影響や、トラウマがふとした時に再発してしまうことなどから、対人コミュニケーションの難しさも抱えています。

そのため、職場で人間関係がうまくいかず、心身の調子を崩し離職した若者が、仕事を失い、中にはその後ホームレス状態になってしまうというケースもあります。


困ったときも、嬉しいときも、
寄り添ってくれる誰かがいる社会へ

これまで、児童養護施設を退所したあとの国からの支援はほとんどない状態でした。

退所後も安心して生活できるよう、退所した若者に対して民間の支援が行き届くようにしていく必要があります。


もう1つの活動の柱として重視するのが、虐待が起こらないように予防する取り組みです。

こどもの虐待死の約半数は、子どもが0歳の時に起きています。
妊娠期から社会とのつながりを持ち、孤立しない居場所をつくる。

赤ちゃん虐待の予防のため妊産婦の支援を、自治体や民間団体とも連携しながら始めました。

悲しい事件を繰り返さないため、
自分たちにできることをしたい、児童虐待の課題に私たちが取り組み始めたのは、2019年のこと。

テレビや新聞で事件が報道される度に心を痛め、
「何かできないか?」「なんとかしたい」と考えるようになりました。

それまで海外で子どもを支援するNPOだった私たちは、日本の子どもを支援する活動を始めました。 1000円のご支援を50名からいただくと、一つの児童養護施設に自立支援の専門家を1名派遣でき、施設を退所した若者たちの支援ができます。


大人からの暴力に苦しんだ子どもが、
その傷を乗り越えて、安心して自分の人生を
歩んでいけるように。


嬉しいときも、悲しいときも、
一緒に寄り添ってくれる人がいる
社会を目指して。


そしてつらい経験をする子どもが、
これ以上増えないように。
あなたの力を貸してもらえませんか?