いつもありがとうございます。



ポケットライン、というものは古くからNゲージをやられている方でも、そうでなくても、持っているか見たことがあるか聞いたことがあるかと思います。

もしくはBトレインショーティーの動力として使っていた方も多いと思います。


私もおよそ10年前に1編成入手しましたが、2024年にもなって一気に12両も増えました。それも初代製品縛りです。

蒸機目当てですが、気づけばまとまった数になったので記事にします。とりあえず、フリーランスかと侮っていたら大間違い。



KATO 14-501 チビ電

緑(広島電鉄3500形風)



広島電鉄3500形ぐりーんらいなー、長崎電気軌道2000形をイメージした軽快電車です。

画像にある緑と赤のほか青が、初期は橙色、黄色、茶色が販売されていました。車番はいずれも4501です。


両車とも片側にドローバー用のピンがあります。

ドローバーの分売は無いので失くさないように。ちなみにZ04-8080 TGVドローバーを使用すると若干車間が縮まるほか、密着連結器風のモールドがあります。


ポケットラインの共通事項ですが、M車とT車で下回りは共通です。モーターと集電板、ギヤ付き車輪などを移植すると全M編成になります。



KATO 13-501 チビ凸

様々な私鉄にありそうな凸型電機です。

黄色のほか、初期には緑と茶色があったそうです。


古くからのBトレユーザーにも懐かしく見えると思います。現在では各動力ともリニューアルされていますが、基本は同じです。

2010年にバンダイ動力が出てからはわざわざチビ凸動力を買う必要がなくなりました。と思いきや2012年以降機関車動力の生産を停止、他の製品も2016年に息絶えたので、結局現在はこの動力に逆戻りです。



KATO 10-506 チビ貨車

※画像は後述のポポンデッタ製品のものです。

トム2両、トムフ1両の3両セットです。モールドを見る限り鋼製車体ですが、鋼製トムフは実在しなかったように思えます。フリーランスですね。

黒のほか、初期は茶色と緑色が存在しました。ポポンデッタ製品では茶色のトムが登場しましたが、過去の茶色との差異はよくわかりません。



さて、真打登場です。

これぞかの有名なチビロコ、の初代です。

オランダの首都アムステルダムから近く、ホールン•メデンブリック鉄道という保存鉄道の車両をそれなりに再現しています。1号機関車や坊ちゃん列車のパチモノでは無いのです。

でもどうしてオランダなのでしょうね。当時の加藤社長が旅行先にオランダを選び、たまたまこの蒸機に出会ったから、なんていうエピソードがあるかもしれません。



KATO 10-500 チビロコセット

KATO 10-505 チビ客車セット

チビロコ

Museumstoomtram Hoorn-Medemblik SHM30 “Hoorn”


1908年アーノルド•ユンク製です。(製番1268)1967年までガス会社で活躍しました。

1968年よりホールン•メデンブリック鉄道で活躍しています。

この路線には転車台が無く、下リ列車(ホールン→メデンブリック)は逆機運転をします。



この機関車は無動力となっていまして、客車に動力のある「ユーレイ」方式です。

この機関車を動力化する試みは多く行われています。近年ではこれより小型で自走する蒸気機関車も存在しますし、今一度カトーの本気を見せてもらいたいものです。

ちなみに実車の30号機ホールン号は、動輪のホイールベースが狭くなっています。イメージとしては津川洋行のコッペル動力くらいでしょうか。

模型では16号機メデンブリック号のホイールベースが近いです。



チビ客車

Museumstoomtram Hoorn-Medemblik ÖBB 38.200〜38.293


このタイプの客車は9両在籍し、現在は1両だけ茶色のツートンとなっています。残りは全車が濃緑色です。

後述の鉄道ファン誌の写真では、茶色ツートンが4両と青ツートンが1両写っています。

チビロコセットでは動力付1両、動力無1両が入っています。私の所有品では橙+青ですが、他の組合せもあるかもしれません。

チビ客車セットでは動力無3両が入っており、各色1両ずつとなっています。なお私の所有品では、橙に動力が入っています。中古品ですし、どこかで取り違えられたのかもしれません。


この模型、よく見るとバッファーが2種類(グーとパー)付いています。円盤が曲面のグーが左、平面のパーが右のドイツ式が再現されています。日本国内では鉄道博物館の9850号機で見ることができます。

ちなみにイギリス式はグーグーで、明治の日本はこちらが主流でした。大正あたりからドイツ式が増えますが、大正後期にバッファー自体が滅びました。



これが動力です。古のBトレユーザーなら、左右の手すりやステップを切り取った経験があったりしませんか?


製品そのままだとデッキの床に車体色の部分があります。黒塗装もしくは黒いテープで隠すと実感的です。




交友社の「鉄道ファン」誌1982年6月号ではチューリップの花畑との素敵な写真が掲載されています。

掲載はできないので是非本誌を読んでみましょう。



もう一品ご紹介します。


STEAM LOCOMOTIVE COFFEE SL列車セット 2011年11月発売






鉄道模型店のポポンデッタがかつて有楽町に構えていた「Cafe & Bar STEAM LOCOMOTIVE」の開店記念として登場しました。
普段チビロコは客車を連結していますが、珍しく貨車を連結したセットとなっています。

以下、パッケージに記載の製品説明を引用します。販売から10年以上経つので今更怒られることも無いとは思いますが…。

日本の輸入会社「ポポン商事」はホンジュラスで非常にバランスの取れた美味しいコーヒーが小規模農場で栽培されているのを発見しました。コーヒー豆の輸入に際し、ホンジュラスに専用の鉄道を敷設し港までのコーヒー豆輸送を蒸気機関車による鉄道輸送としました。
鉄道輸送の際、蒸気機関車の運転手たちは、なんと高温の蒸気機関車のボイラー釜を使って、コーヒー豆を焙煎。長い輸送時間中にこのコーヒーを仲間と楽しんでいました。しかもその深いコクと香りが絶品。瞬く間に運転手仲間や、鉄道職員、さらには港や農場の従業員までそのコーヒーの美味しさが広く伝わりました。そうするうちに、そのコーヒーの噂はポポン商事の社員の耳にも届きました。「大事な商品に」とカンカンに怒って鉄道職員に抗議しましたが、一口そのコーヒーを飲んでびっくり。あまりの美味しさに、蒸気機関車のボイラー釜による焙煎方法とコーヒー豆を日本に輸入することをすぐに決めました。
こうして生まれたのがこの「スチームロコモティブコーヒー」。中南米の大らかさが生んだ秘密のレシピをどうぞ召し上がれ。

※ホンジュラス…北米大陸と南米大陸を繋ぐ細い部分にある国

コーヒー豆の焙煎は140℃〜200℃とされています。この機関車の場合は何とも言えませんが、蒸機の罐の温度はその5〜6倍(国鉄制式蒸機の場合)と考えていただいて……。正気?




チビロコは現在では3両セットのみですが、やはり増結セットのある初代製品は格別です。実際の保存鉄道でもこのくらいの長さで走っています。



以上、ポケットラインも侮れないというお話でした。