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2022年12月。日本の鉄道開業150周年を迎えたその年の暮れ、一つの形式が本線上から消滅しました。

「485系」1964年に481系として登場し、その万能さから北海道から九州まで広範囲の電化路線で特急として活躍しました。


特急車の定期運用としては、2017年3月に廃止となった愛称も無き快速列車、通称“糸魚川快速”が最後でした。

その後もJR東日本でジョイフルトレインが残存しましたが、2022年12月の廃車をもって終了となりました。



MicroAce A2270 485系お座敷電車「華」 2007年6月発売

MicroAce A2274 485系お座敷電車「華」高崎車両センター 2023年8月発売

※今回の記事ではA2274を使用しています。

クロ485-2

下リ側先頭車です。運転室背後はフリースペースで、貨物線や短絡線では人が集まります。


モロ485-4

公衆電話のある中間車です。妻面のアンテナが恐らくそれです。


モロ484-6

このセットの動力車です。パンタグラフが大きいので、トミックスの0280 PS26Hに交換するのがおすすめです。


モロ485-5

唯一お手洗いのある中間車です。もとの485系とは違い、6両中1,3,6号車にしかお手洗いはありません。


モロ484-7

どうでもいいですが、私がお座敷列車に乗るときは2号車になることが多かったです。先行の宴編成とは違いパンタ下にお座敷の部屋がないので、床に大きな段差がありません。


クロ484-4

上リ側先頭車です。やまなみ•せせらぎと共通の床板のため、両先頭車にはライトスイッチがあります。


←小山・高崎    上野→

クロ485-2+モロ485-4+モロ484-6+モロ485-5+モロ484-7+クロ484-4

種車 クハ481-21+モハ485-87+モハ484-87+モハ485-149+モハ484-251+クハ481-28


付属ステッカー(A2274)

号車札 [1][2][3][寿][5][6] 各3枚

側面列車名札 [有井フラワーパーク号][上州温泉めぐりの旅][マイクロエーストラブルミステリー号][◯×市民ふれあい号] 各14枚


90年代の関東では、お座敷車が大変人気でした。国鉄時代に登場した12系800番台「なごやか(オク座)」「江戸」、1994年に登場した485系「宴」。3編成掛かりで首都圏の団体輸送を行っていました。

しかし客車列車とは効率の悪いもの、機関車の手配やら折返し作業の繁雑さやら、色々付きまといます。ということで、「なごやか」の代替の電車を製作しました。それが「華」です。


前作「宴」と同様に485系としての車体を外し、専用のものを新製しました。正面は前面窓を大きく取ったブラックフェイスで、後に登場した「ニューなのはな」「やまなみ」「せせらぎ」に継承されています。

この編成以降の485系ジョイフルトレインでは、信越本線横川〜軽井沢での補機の連結対応、通称横軽対策はなされていません。

1997年4月26日に小山電車区G6+G7編成としてデビュー。2015年3月14日に高崎車両センターに転属、同年5月にTG02編成に改称されました。2022年10月30日に品川〜伊豆急下田を往復し、11月11日に廃車となりました。


Nゲージではマイクロエースが2007年に製品化、2023年にリニューアルし再登場しています。車体標記の変更がなされ、ステッカーの内容が近年発売の客車ジョイフルトレインに合わせた内容になっています。


クハ481-21

1965年6月 汽車製造製 新製配置 仙台電車区

1982年11月 転属 向日町電車区

1986年11月 転属 上沼垂電車区

1996年9月 転属 小山電車区(改造のため)


モハ485•モハ484-87

1972年4月 日立製作所製 新製配置 向日町電車区

1986年11月 転属 上沼垂電車区

1996年9月 転属 小山電車区(改造のため)


モハ485-149•モハ484-251

1973年1月 川崎重工製 新製配置 向日町電車区

1986年11月 転属 上沼垂電車区

1996年9月 転属 小山電車区(改造のため)


クハ481-28

1967年7月 日本車輌製 新製配置 仙台電車区

1985年2月 転属 向日町電車区

1986年11月 転属 上沼垂電車区

1996年9月 転属 小山電車区(改造のため)


1997年4月26日 運用開始 小山電車区G6+G7編成「華」

                       上野寄り3両がG6、小山寄り3両がG7

2015年3月14日 転属 高崎車両センター(旧 新前橋電車区)

同年5月 編成番号改番 TG02

2022年10月30日 最終運行

同年11月11日 廃車





TOMIX 98822 JR 485-700系電車(リゾートやまどり) 2023年12月発売

クハ485-703

下リ側先頭車です。せせらぎ時代から顔つきが変わっています。


モハ485-704

乗務員室とフリースペースのある中間車です。実車には無かった1Bの座席が模型には付いています。謎。


モハ484-704

251系ほど立派ではありませんが、キッズスペースのある中間車です。


モハ485-703

お手洗いとフリースペースのある中間車です。が、5号車と内装パーツが共通なので再現されていません。モハ485は「やまなみ」「せせらぎ」時代にあった公衆電話を撤去しています。


モハ484-703

ミーティングスペース、おむつ替えスペースのある中間車です。後述の通り座席間隔が広く、窓配置も合わせられています。模型では動力車です。


クハ484-703

上リ側先頭車です。両先頭車とも、やはり運転室背後にフリースペースがあります。


←越後湯沢、万座•鹿沢口        大宮、上野→

クハ485-703+モハ485-704+モハ484-704+モハ485-703+モハ484-703+クハ484-703

※種車は奇抜すぎて後述しています


付属ステッカー

前面LED表示 [快速リゾートやまどり][快速万座•鹿沢口][快速高崎][快速沼田][特急リゾート草津]

                   [特急長野原草津口][特急][リゾートやまどり][臨時][団体][回送][試運転][(無表示)]各4枚


90年代の関東では、お座敷車が大変人気でした。国鉄時代に登場した12系800番台「やすらぎ」「くつろぎ」が、北関東の団体輸送を行っていました。

しかし客車列車とは効率の悪いもの、機関車の手配やら折返し作業の繁雑さやら、色々付きまといます。ということで、これらの代替の電車が「やまなみ」「せせらぎ」です。

北関東の山の名前が各車に付いた「くつろぎ」の置換が「やまなみ」、川の名前が付いた「やすらぎ」の置換が「せせらぎ」です。

両編成は2001年にデビュー、他の列車より短い4両編成を活かし、もしくは併結した8両で、団体輸送を務めました。485系であることを活かし、JR西日本の金沢まで入線したこともありました。


せせらぎ編成の両先頭車は181系からの改造となっています。種車はサロ181形1100番台といいまして、特急「とき」編成での電動発電機(MG)とコンプレッサー(CP)の搭載個数を増やすために製造されました。初めから485系に転用する計画だったことからサロ481形の設計を流用しており、実際に全車が485系に編入されました。


2011年の群馬デスティネーションキャンペーンに合わせ、YD-01編成「リゾートやまどり」として再改造されました。「せせらぎ」をベースに、上野寄りに「やまなみ」の中間車を増結しています。

もと成田エクスプレスのクロ253•クロハ253の座席を使用した座席車となりました。シートピッチは1200mmです。なお2号車のみ1500mmで、新幹線のグランクラスより広く取られています。


なお余剰となった「やまなみ」先頭車は、2012年のいわてデスティネーションキャンペーンに合わせ、座席車の「ジパング」に再改造されました。中間車には青函特急「白鳥」で余剰となったモハユニット3014が使用され、異彩を放っていました。


2011年7月2日の特急リゾート草津(新宿〜万座•鹿沢口)でデビューしました。なお同日にはC61 20+C57 180+12系ばんえつ物語編成による「SLググっとぐんまみなかみ」が運転されており、私はそっちに乗車していました。

同年8月5日から快速リゾートやまどりに充当され、2018年まで運行されました。

その後は中之条止まりの快速四万温泉やまどり、越後湯沢まで走る快速谷川岳もぐら•ループに使用されました。

2022年12月11日の上尾〜長野原草津口の団体列車をもって運用終了、同月28日に廃車となりました。これにより車籍を持った485系電車が消滅となりました。また181系のルーツを持つ車両も同時に消滅しました。



Nゲージでは、「やまなみ」「せせらぎ」は2007年にアリイ(マイクロエース)が製品化しています。上述の「華」と同時発売で、当時の人々の財布は大打撃を受けたことでしょう。「ジパング」も2013年に製品化済みです。


「リゾートやまどり」は2023年12月、ちょうど1年前に郡山への廃車回送が行われた日である27日に、トミックスから発売されました。

アリイが好む題材をトミックスが製品化したことで意外がられました。連結部には配管付TNカプラー、トイレタンクが付けられ、アリイより豪華です。2022年の「華」と比べて8000円安いので、アリイは危機感を持った方が良いです。

先頭車の床下に前照灯のON-OFFスイッチを取付できる構造のため、もしかしたら「やまなみ」「せせらぎ」の製品化構想があるのかもしれません。なおのことアリイは危機感を持った方が良いです。

ちなみに仮に先頭用TNカプラーが開発された場合、アリイ製品ではカプラー用のスペースがズレているので、ポン付けは不可能です。


サロ181-1102

1978年6月 日本車輌製 新製配置 上沼垂電車区

1982年10月 編入 サロ485-1502

                   転属 盛岡客貨車区

1985年3月 転属 勝田電車区

2000年7月 転属 新前橋電車区(改造のため)

2001年3月 改造 クロ485-5 TG11「せせらぎ」8号車

2011年2月 改造 クハ485-703 YD-01「リゾートやまどり」6号車

2022年12月28日 廃車


モハ485-1071

1978年7月 日立製作所製 新製配置 秋田運転区

1992年5月 転属 勝田電車区

2000年7月 転属 新前橋電車区(改造のため)

2001年3月 改造 モロ485-9 TG11「せせらぎ」7号車

2011年2月 改造 モハ485-704 YD-01「リゾートやまどり」5号車

2022年12月28日 廃車


モハ484-1071

1978年7月 日立製作所製 新製配置 秋田運転区

1992年5月 転属 勝田電車区

2000年7月 転属 新前橋電車区(改造のため)

2001年3月 改造 モロ484-11 TG11「せせらぎ」6号車

2011年2月 改造 モハ484-704 YD-01「リゾートやまどり」4号車

2022年12月28日 廃車


モハ485-58

1972年2月 日立製作所製 新製配置 仙台運転所

1985年3月 転属 勝田電車区

1997年12月 転属 新前橋電車区(改造のため)

1999年4月 改造 モロ485-8 TG10「やまなみ」3号車

2011年5月 改造 モハ485-703 YD-01「リゾートやまどり」3号車

2022年12月28日 廃車


モハ484-58

1972年2月 日立製作所製 新製配置 仙台運転所

1985年3月 転属 勝田電車区

1997年12月 転属 新前橋電車区(改造のため)

1999年4月 改造 モロ484-8 TG10「やまなみ」2号車

2011年5月 改造 モハ484-703 YD-01「リゾートやまどり」2号車

2022年12月28日 廃車


サロ181-1104

1978年6月 日本車輌製 新製配置 上沼垂電車区

1982年12月 編入 サロ485-1504

                   転属 盛岡客貨車区

1985年3月 転属 勝田電車区

2000年7月 転属 新前橋電車区(改造のため)

2001年3月 改造 クロ484-7 TG11「せせらぎ」5号車

2011年2月 改造 クハ484-703 YD-01「リゾートやまどり」1号車

2022年12月28日 廃車



ところで。各車の番号がバラバラなのはこういう経緯があります。

シルフィード〜せせらぎでは、編成ごとに車両の末尾を揃える考えが無く、製造順に形式ごとで連番としていました。

シルフィード→NO.DO.KAの改造の際は単純に車番を+700しています。次のやまなみせせらぎ→やまどりの改造では、702を欠番とし編成全体を703•704で揃えています。やまなみ→ジパングも同様ですが、中間車は青函特急用の3000番台を改番なしで使用しています。



因みにNゲージではシルフィード(DE10 1701とのセット)、華、やまなみ、せせらぎ、NO.DO.KA、やまどり、ジパングが製品化済です。


私ごとですが、シルフィードとNO.DO.KA、せせらぎとやまどり、やまなみとジパングを同一編成視してよいのなら、本線上の列車としては全編成乗車しましたね。