いつもありがとうございます。


100年前の1922年(大正11年)生まれの蒸気機関車が2022年現在も整備されて本線上を走っていることは、多くの方がご存知かと思います。

そんな「おじいちゃん機関車」な58654号機が、Nゲージでも現行仕様としてスケールの整った製品が出たため、私も買ってみました。


2022年になって初めてKATO製品を買ったもので、この人吉が3つ目となります。まだ慣れなくて不安ではあります、中間カプラーとか。


とりあえず他の車両と並べてみました。

※庫内に見える車両は無関係です


KATO 10-1727 58654+50系「SL人吉」2022年11月発売

(上記を1セット購入しました。ほか以下の2種類があります。)

KATO 2028-2 8620(58654「SL人吉」) 2022年11月発売

KATO 10-1728 50系700番台「SL人吉」 2022年11月発売

公式側 パーツ取付済

復活後の装飾が綺麗に再現されています。前部をアーノルドに交換するのは私自身の好みです。


非公式側


8620形58654号機

1922年11月18日 日立製作所笠戸製 No.62

                               8620形式の435両目

同年12月26日 新製配置浦上

1925年7月20日 九州での連結器一斉交換

1927年4月現在 所属 吉松

1932年11月 転属 鹿児島

1939年11月 転属 豊後森

1943年2月 転属 鳥栖

1946年10月 転属 吉塚

1949年6月21日 転属 西唐津

1958年12月頃 69600号機から小工式K-7デフ幅広(門デフの一種)を流用

1961年4月20日 お召列車牽引 佐賀~唐津

同月21日 お召列車牽引 唐津~久保田

1964年4月現在 所属 若松

1968年6月1日 転属 人吉

1975年3月9日 湯前線貨物牽引 最終運行

同月31日 廃車 人吉市へ貸与

1978年現在先に静態保存されたD51 170と共に矢岳駅前にて静態保存

1987年7月20日 九州鉄道開業100年に向けた蒸機動態保存プロジェクトチーム発足

同年8月1日 人吉市貸与中の58654号機の返還要請

                     D51 170と共に状態が良いことから検討、取扱い等々により58654号機が選出

同年12月11日 人吉市からの了承

                          保存時の整備ボランティア(現役時代の機関士等々)への説得に難航したため

1988年1月9~10日 小倉工場へ陸送

同月12日 起工式

修復作業 ボイラーは新日鐵、動輪は住金小倉にて新製 デフレクタは小工式K-7幅広からK-7標準に交換

同年6月28日 新製車両として認可 8620形式が一度全廃されたことによる

同年7月2日 火入れ式

同月12日 構内試運転

同月21~22日 熊本へ回送

同月26日 車籍復活

同月28日以降 本線試運転

同年8月28日 「SLあそBOY」(豊肥本線)として営業運転開始

同年10月9日 「SL人吉号」(肥薩線)運行開始

1992年 水戸岡鋭治氏監修の元 濃緑色へ変更

1994年 回転火の粉止め設置 沿線火災防止のため

              保安装置をATSからATS-SKに換装

2005年 試運転時軸受に異常発熱 以降不具合が増加

同年8月28日 SLあそBOYの運行をもって運用終了

2007年2月21日以降 総額4億以上の修復作業

                                     台枠を日本車両にて新製

2009年4月25日 「SL人吉」(肥薩線)として営業運転再開

2020年7月以降 肥薩線不通のためSL人吉運休 臨時列車として鹿児島本線で使用

2022年10月24日 2024年3月をもって運用終了を発表

2023年9月22日 豊肥本線「SLあそBOY」として運転

2024年3月23日 通常運用終了

同年3月24日 団体列車として最終運行


付属品

ヘッドマークステー 2個

ヘッドマーク (SL人吉) 1枚

重連用アーノルドカプラー 1個

重連用ナックルカプラー 1個

炭水車用ナックルカプラー 1個

ミニリレーラー黒 1本


ここでワンポイント。

カトー製蒸機はたいてい炭水車のライトは光りません。

しかし8620の場合、デフォルトで炭水車ライトがあるC56形と同じダイキャストのため、ASSYパーツを使うことで簡単に点灯化することができます。

使用パーツは2020-1G C56小海線ライトユニットです。8620の煙室側ライトも同じものを使用しています。


炭水車を開ける際は後ろのハシゴや配管に注意。

画像のように基板を差し込んだら車体を戻しましょう。


そうするとこのように光ります。皆さんもお試しあれ。

(画像では光漏れがありますが、撮影時フタのパーツが浮いていたようです。正しくはめ込めば光漏れしません。)

なお、他の形式では点灯化の考慮はされていないため、「はめ込めば点灯化」という簡単なものではありません。 

ご参考までに。↓




オハフ50 701 (もとオハフ50 39) 画像右

オハフ50 702 (もとオハフ50 40) 画像左

富士重工製

どちらも業務用室側を展望室に改造しています。屋根はあそBOYの時代にダブルルーフ風になっており、九州の普通の50系同様ベンチレーターはありません。


オハ50 701 (もとオハ50 75)

新潟鐵工製

乗降扉がある側が下り側です。折戸の50系とは新鮮ですね。同時期にジョイフルトレインに改造されたキハ65から持ってきた、という説があります。


1988年8月20日 「SLあそBOY」用改造 700番台化

                             米国西部開拓時代をイメージしたデザイン

2005年8月28日 58654号機の運用終了

                             客車は「ディーゼルあそBOY」に使用

2006年7月22日 キハ58+28「あそ1962」運用開始

                             客車は団臨用として使用

2009年 「SL人吉」用改造 引き続き700番台

2020年7月以降 肥薩線不通のためSL人吉運休 臨時列車として鹿児島本線で使用

2023年9月22日 豊肥本線「SLあそBOY」として運転

2024年3月24日 58654号機の運用終了 客車の処遇は不明


付属品

展望室側ナックルカプラー 2個

ジャンパ栓付カプラー台 2種各1個

DE10用ヘッドマークステー 1個

DE10用ヘッドマーク (SL人吉) 1個


←人吉・八代  熊本駅基準  鳥栖・博多・門司港→

58654+オハフ50-701+オハ50-701+オハフ50-702


2023年現在、車籍を持つ日本最古の蒸気機関車が58654号機です。生まれは国鉄が鉄道院だった頃、それもまだ連結器がねじ式主流だった頃です。

この頃の九州ですと明治生まれの九州鉄道2軸客車(九州鉄道記念館や耶馬渓線の保存車として現存)や、あの有名な1号機関車(1911年から1930年まで島原鉄道に在籍)などが現役です。58654号機は浦上機関庫(長崎駅の隣の駅に隣接)に所属していましたから、1号機関車に会うこともきっとあったはずです。

※島原1号は製品化がありません。画像はワールド工芸の原型仕様に装飾を追加したものです。



九州鉄道客車はIORI工房さんから製品化があります。この時代なら狭幅車になるのでしょうか。



ねじ式連結器から自動連結器への交換作業を受けた世代ですから、バッファーを外した跡があるはず…ですが、100年間に様々な補修を受けたでしょうし、間近で現役車の端梁を見ることもないですから確認できていません。

バッファー痕、当時の施工者がもの凄く丁寧な人だと跡形もなく埋まってしまうのですヨ。


8620形や9600形といった、大正蒸機の中でもこ れらの形式は長くにわたり現役でした。58654号機も例外ではなくおよそ52年活躍し、蒸機最末期まで走りました。その52年の中でお召列車牽引という輝かしい経歴もあります。登場から40年近くのときで、この機関車がエリートだということがわかります。

引退後は国鉄OBの整備のもと大切に保存されていました。


それから復活に至る道のりはネット上に色々載っていますのでぜひ読んでみてください。



Nゲージではかつての関水金属が断念しC50に変化した、というのを聞いたことがあります。


そのため1999年のアリイ(マイクロエース)が初のプラ完成品となります。このメーカーは1996年に初めての自社設計の蒸機であるD51を出してから、名の知られた形式を連発し続けたのですが、とにかく姿形が妙なものばかりでした。1/150という枠内にモーターが収まらず、ほとんどの形式が縦長です。

8620も例外でなく、実車の細身で軽快なスタイルは消え去っています。我慢して「8620みたいなもの」を買うか、諦めて買わないか、従来の「KATOの1/140蒸機から改造してなんでも作る」か、といったところです。

58654号機は2006年に「SLあそBOY」として製品化されています。黒塗装に装飾付きの、あそBOYとしては末期の姿です。あそBOYとしての50系客車は2022年現在この製品のみです。

(あそBOY仕様とKATO人吉は似た形態のため、KATOの58654+アリイあそBOYでもさほど違和感は無いはずです。異なる点は煙突形状とシリンダーのJRロゴの有無です。アリイをお持ちで機関車に不満のある方、ぜひ人吉を買ってみてはいかがでしょう。)


KATOは2015年のNゲージ50周年にC50形式をリニューアルしました。C50と8620は似たような雰囲気の機関車で、昔から「C50から8620を作る」という改造が定番だったとのこと。このリニューアルでも8620の作例がありましたが、「でも製品としての8620が出そうだよね」と世間では言われていました。

2019年のカタログで九州の自社製品の特集が掲載されたとき、58654号機とSL人吉について少し触れられたようです。この辺りから界隈は段々とざわついてきました。


2020年3月、世の中が重苦しい話題に溢れる頃。ついに8620形式の製品化が発表されました。界隈は大興奮、嬉しさの大爆発だったといいます。長くて50年以上は待たされたのですからね。

そして8月末、「8620東北仕様」が無事に世に送り出されました。あくまで東北仕様ではあるものの初の1/150の8620、その細身で軽快なスタイルがようやくNゲージとなりました。


2022年7月、58654号機のSL人吉の製品化が発表されました。2019年カタログで立てたフラグの回収です。

私はこれまでKATO製品は買っておらず、この年から条件付きで買うことにしたのですが、その条件に見事当てはまったため発表から3日後には予約していました。



さて、せっかく九州の機関車を手に入れたものですから、心ゆくまで遊びたいものです。

とは言ってもまだ入手したばかり、あまり走らせてあげられていません。


人吉編成は皆さんやると思うので、違う客車を付けてみました。

58654×マヤ34 2009

共に熊本の人気者ですが、まあ無いだろうという組合せです。これに人吉客車を付ければ「SLマヤ吉」です。まるではまなす。私の身の回りで同じく人吉を購入した人が多いので、運転会ではこのように特徴を付けないと取り違えてしまう可能性があります。



58654×パノラマライナーサザンクロス

1994年まで共存していましたが、牽引歴は無いはずです。またその頃の58654はモスグリーンだったはずです。ここは「ザンクロがまだ生き残っている世界線」とでもしましょうか、だとしても水戸岡先生に塗り替えられていそう。




そんなこんなで私も人吉を買ったという記事でした。KATO製品は3~6両目、3製品目です。

たぶん蒸機ならここのメーカーから今後買うと思いますが、TOMIXから何かしら出るときはそれを優先します。


最近ブログの更新が滞っており申し訳ありません。正直に申し上げますと、「きららファンタジア」というアプリが来年の2月28日に終了するので、そのための準備を日々行っているというのが現状です。書きかけの記事がいくつか溜まっているので、なんとかせねば。



2022.12.30追記

アメブロには「このブログを読んだ人はどこから来たのか」というのを見る機能があります。12月の総合分を見ていたところ。


汽車倶楽部様…!?