いつもありがとうございます。
1984年5月のこと。小峰書店より、ある絵本が出版されました。「かもつれっしゃのワムくん」という作品です。
関根榮一氏によるその時代を反映したストーリーと、横溝英一氏による緻密な絵は、数多くの読者の記憶に残ったことでしょう。私もだいぶ前から持っていて、たまに読んでいました。
関根氏・横溝氏は他にも鉄道を題材にした絵本を出版されていますが、恐らくこの作品だけが鉄道事業者を特定しないように描かれています。
使われず眠る貨車ワムくんの、ある一時の楽しい冒険のお話です。興味のある方はぜひ絵本を買って読んでください。と言いたいのですが、最近は重版がされず恐ろしく高騰しています。
それから時は流れ2021年2月10日、この日はトミーテックの新製品発表でした。
京成スカイライナー、京葉線の205系、修学旅行列車の任を解かれた167系が並ぶ中、センターに見覚えのある絵が!えっ、絵本の製品化ですか!?
https://www.tomytec.co.jp/tomix/information/img/pdf/poster210210.pdf
(通販で予約をする音)
7月16日、ついに発売されました。
購入者の声です。
「可愛くない?表紙。俺も20になるけどさなんなのコレ?ww」20代男性
普段あまりこういう製品は購入しないという方も、見事にジャケ買いをしています。
「あの絵本は一番好きだから、製品化されて嬉しい。神田のトミックスショールームで担当の人とお話ししたい。」50代女性
とにかく嬉しいようです。
中身はこのようになっています。貨車6両のほか、機関車用ステッカー、原作絵本の縮小版が付属します。
ウレタンの余白の切り抜きを使うとED14形1両、ワム80000形orトラ70000形相当の貨車2両が入れられます。
ところでこのウレタン、ちょっと不思議ですね。このセット専用でしょうが、スペーサーが入っていて他の車両に対応しています。
では1両ずつ見ていきましょう。
ワム93287(くさにはな) 金型:ワム60000
本作の主人公です。社章があるように、この車両のみ架空の私鉄の車両です。白線は無く、つまり国鉄への直通認可はありません。
国鉄ワム90000形の1957年製造分に「ワム93287」が存在しますが、関係ありません。
またこの形式と「とび色」という塗装の組合せは恐らく無かったと思われます。
タム4192(よいくに) 金型:タム500
挿絵1枚にのみ登場します。架空の事業者の明口石油の私有貨車です。(明口石油という名前は本編には登場せず、この製品にて判明)
国鉄タム4000形(タム500形から改造)では4089が最大の番号でした。
トラ70423(ななまるよにいさん) 金型:トラ70000
挿絵2枚に登場します。実在の車両で、1967~68年製造分にあたります。
本編では石を積んだ状態で連結されています。製品に積荷は無いため自作すると良いでしょう。いつも通りの“工夫次第”です。
ハワム188960 金型:ワム80000中期形
挿絵3枚に登場します。ワム80000形は188818の次が280000のため、この番号は実在しません。
なお車番の由来は不明です。(本編では番号が出ないため)(いちはやく…と読めないことはない)
また原作絵本では、表紙裏のイラストにワム88241が描かれています。
ツム152831(いちごにやさい) 金型:ツム1000
挿絵2枚に登場します。ツム1000形は2597までの製造のため、この番号は実在しません。仮に実在したなら凄まじいインフレナンバーです。
原作絵本では裏表紙裏にツム1582が描かれています。
ヨ6895 金型:ヨ6000
挿絵1枚に登場します。尾灯に付いた円盤が特徴的です。
テールライトは点灯しませんが、通常のヨ6000を犠牲にすると点灯化できます。
ヨ6000形は6870から6900に飛ぶため、この番号は実在しません。
さてこの車両たち、このセット内容で遊ぶのも良いですが、本編の編成にしたくなりますよね。
参考までに自分用メモを掲載いたします。なるべくTOMIX製品を使っていなすが、これも個人的な事情です。
1.始発駅発車時点(6両)
ED49840(よくはしれ)…鉄コレED14+付属ステッカー
※マイクロ製orワールド工芸製ED19の方が挿絵の機関車に似ている
トラ70000×2…<2713> 積荷を作るとよい
トラ70423(ななまるよにいさん)+ワム93287(くさにはな)+ヨ6895
…<98746>より3両
2.ハワムに連結後(11両以上)
ハワム80000×7…<2714>or<8734>
(<2714>の場合は屋根をとび色に塗ると効果的。またこれ以降のとび色貨車は屋根と側面が同色。)
ハワム188960+ワム93287+ヨ6895
…<98746>より3両
3.ヤード組成後(最低19両)
EF66(菱形パンタ)…<7141>or<7142>
ワム90000…<2727>
ワム80000…<2714>or<8734>
コキ50000…<2783>+<3101>×2
ワキ5000…マイクロ<A3084>
ワム89000(とび色で丸屋根)…未製品化のためワム80000で代用
ワム80000…<2714>or<8734>
レム5000×2…<2712>
タム500黒×2…<2722>
ワム89000(とび色で丸屋根)…未製品化のためワム80000で代用
ワム80000…<2714>or<8734>
トキ21100…マイクロ<A6976>(本編では側板付・とび色)
もしくは甲府モデル製キットに側板
ツム152431+ワム93287…<98746>より2両
トラ70000…<2713>
ワム80000×2…<2714>or<8734>
以下、挿絵では描かれていないものの編成が続いている可能性あり
4.再組成(6両)
牽引機不明(国鉄電機)
タキ25000×4…<2776>
ワム93287…<98746>
5.太平洋線海底列車 架空の貨車のため自作のこと
EF66(菱形パンタ)…<7141>or<7142>
有蓋車×2
タンク車
有蓋車
ヘム73469(なみしろく)
有蓋車
球体形タンク車×2
有蓋車×2
ヘム73990(なみくぐれ)
ヘム73235(なみにさんご)
ワム93287
おまけ 原作絵本表紙・裏表紙裏編成
EF66 21+レム6450+タキ43200+トラ70000(番号不明)+ク5434+ワム88241+コキ12021+ホキ2287+ツム1582+セキ8033+ヨ8785
ここからは原作再現です。中途半端に3枚だけですが…
挿絵2枚目
タム4192「EFの66形は、凄い機関車だぞ。特急なんだ。」
挿絵4枚目
がしゃがしゃーん。トラとワムくんは連結する。
挿絵5枚目
(後で気付きましたが、ED14が脱線していますね…すみません)
もしくは、模型ですから自由に遊んでもよいでしょう。
C11 325と。私の325はよく旅に出ているので、私鉄専用のワムくんにとっては憧れの存在になるでしょうか。
ノス鉄と。発売時期が同時期なため、一緒に遊ぶ方も多いでしょう。
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同時生産されたED14形はこちら