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2024年6月、衝撃的な発表がJR東海とJR西日本からなされました。

新幹線923形、ドクターイエローの引退。


私の手元には東京駅前のKITTE屋上から撮った映像があるのみでした。残念。





1962年に登場した4000形4001号車。1964年に客車から魔改造された921-2。これらは911形ディーゼル機関車に牽引され活躍しました。

1000形A編成から改造された941形。同じくB編成から改造された922形T1編成。もとは新幹線最初の試験車でしたが、1975年にあっさり解体されてしまいました。

1974年に0系ベースに新製された922形10番台T2編成。1979年に登場した922形20番台T3編成。2000年代まで活躍しました。

1979年に北上試験線に投入された925形S1編成。小山試験線の962形から改造された925形10番台S2編成。長野行新幹線に対応するため1997年に改造されましたが、2003年までに引退しました。

2000年に700系ベースに新製された923形T4編成。2005年に登場した923形3000番台T5編成。検測の速度向上に寄与しました。


東海道新幹線の開業前から存在した黄色い高速度検測車、ドクターイエローは、2027年のT5編成引退をもって65年の歴史に幕を閉じます。



さて、このブログで新幹線? と思うかもしれません。

なぜかと言いますと。



どういうわけか、プラレールで7両フル編成を2編成持っています。



923系のプラレールですが、最初は2001年の「ドクターイエロー車両基地セット」でした。

この製品は700系の金型を使っており、さらに中間車が700系試作車タイプのパンタカバーのものと、700系量産車タイプのパンタカバーのものがあるようです。

700試作車のパンタカバーは「ワイングラス型」と呼ばれる、パンタを囲む形状のものです。しかしパンタグラフより、パンタカバーそのものが騒音の原因であることが判明したので、量産車では不採用となりました。

プラレールは割と製品化が早いので、試作車の形態のまましばらく生産されているものがたまにあります。




923形としての新規金型は2007年の「自動のりかえ駅セット」が最初です。編成番号は印刷されていませんが、JR東海承認済ということでT4編成です。1号車、2号車、7号車の編成です。

私が初めて手にした923形はこの製品でした。当時新品で1セット入手したことが全ての始まりと言えます。




同年4月より開催のプラレール博2007では6号車が配布されました。実は2号車を反転しているので窓配置が異なるのですが、配布品にどうこう言っている場合ではありません。頑張れ改造勢。

ちなみに私は現地で入手しており、とりあえず1両だけ開けました。使わない分は保管していましたが、まさか十数年後に使うとは。

これは本質情報なのですが、連結器が出ている開口部が前後とも凸形の車両は、足回りを反転して逆向きの中間車としても使えます。(例:一部の小田急ロマンスカー)



増結イメージ。自動のりかえ駅の有効長は3両なので、1/2直線などで延ばしてやりましょう。


ところで左右の窓配置だけ逆にしたら似ると思います。(画像加工)



2008年にはトイザらス限定の「デカプラレールタウンN700系ステーションとドクターイエローセット」が発売されます。号車番号の印刷は省略されていますが、JR西日本のT5編成が初登場。内容は1、2、7号車です。


2011年にテコロジーシリーズとして、T5編成の7号車のみ製品化されます。印刷の少なさから、(この時点では)トイザらス限定セットに合う仕様です。

テコロジーとは、車内に発電機が付いており、車輪の回転方向により前照灯もしくは尾灯が点灯する、というものです。


2012年に上記テコロの発展形として、「ダブルライト923形ドクターイエローセット」が発売されます。T5編成を電池下入れ型、前照灯付きの動力に改良しています。内容は1、2、7(テコロ)です。

楕円型のレールと駅ホーム、トンネルがセットです。


2014年に品番S-07として3両セットでの販売が開始されます。923形初の単品販売です。

この製品はT4編成で、2024年現在も使用されている新メカ動力に改良しています。また前照灯が点灯します。


2016年に「923形ドクターイエローベーシックセット」が発売されます。新メカ動力のT5編成で、ライトは非点灯です。内容は1、2、7号車です。

ターンアウトレールが付いて前回より豪華…と思ったら、情景の立木、プラキッズ、建物、架線柱が紙製になってしまいました。


同年、「スマホで運転!ダブルカメラドクターイエロー」が登場します。いつものT5編成1、2、7号車ですが、完全新規金型でカメラや通信機器を収めています。そのため1-2号車間は固定連結です。また2-7号車間は「中間動力用連結器」となっています。ここに普通の中間車を挟むことが可能です。

なお2022年3月、この製品に必要だったアプリがサービス終了しています。


2017年、テコロでチリンシリーズとして、T5編成の1号車が製品化されました。

このシリーズは車輪の動きで車内の鈴が鳴る…という過去のプラレールでも聞いたようなものです。

テコロジーとの違いは、車体サイズがハッピーセットプラレールに近いことと、テコチリは先頭車のため編成に組みづらい、というところです。しかも先頭には連結器があり、編成に組むというよりは何らかの動力車に適当に繋いで音を立てながら走らせる、という感じでしょうか。


2018年、「レバーでダッシュ!!超スピードドクターイエローセット」が登場します。今回はJR東海と西日本の両方の許諾を取っています。内容は1(変速動力)、2、7です。

付属の特殊レールにより床下のスイッチが動かされ、動力内部でギヤ比が変わる、というものです。両先頭車は新規金型で、リアルな外観になりました。そのぶん側面窓が減り、妻面の表現が変わりました。※2号車は変更ありません。

特殊レールが2セット含まれる初回生産品と、所定の本数が入った通常品が存在します。


ちなみに先頭車の違いはこんな感じ。※新規金型の方は2020年発売の「いっぱいつなごう」セットのもの




上記と同時発売で、「KF-07 923形ドクターイエロー中間車」が登場します。3号車で屋根上標記もしっかり印刷。(レバーでダッシュのセットは印刷無しなのですが…同時発売なのに)

これまで中間車はパンタ車しか存在しなかったので、編成に変化をつけられました。「スマホで運転」含め従来製品に増結可能です。

上記の6号車と見比べると、妻面の表現が変わったのがわかります。



良い感じ。





同年のプラレール博では配布車両が二択の選択制だったのですが、ここでまさかの5号車登場。しかもかつての6号車と違い、新規金型で作っています。私も現地に赴き入手してきました。



2018年×2007年。まさか相方が来るまでに11年かかるなんて。

この時点で4号車を除く6両編成が組めています。もしかしてこの会社、全車揃えるつもりなのでしょうか。


さて、2018年といえばテレビアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」の初代作品が放送された年です。

923形もシンカリオンとして登場したのですが、なぜか2種類登場しています。

名古屋支部の清洲リュウジ(声:逢坂良太)が担当するものは1、2、4、6、7号車の5両で変形、クロス合体が可能です。

大宮支部の指導長で京都支部に単身赴任した速杉ホクト(声:杉田智和)が担当するものは1、6、7号車で変形します。

どちらもプラレールに登場し、発売時点では唯一の4号車と正しい6号車の製品となっています。


2021年放送開始の「シンカリオンZ」にも923形が登場します。

名古屋支部の安城シマカゼ(声:内田雄馬)が担当するものは1、2、4、6、7号車の5両で変形、超Z合体が可能です。こちらもプラレールにて製品化されました。





2020年、「いっぱいつなごう923形ドクターイエロー」として6両セットが登場しました。内容は1、2、3、4、5、7号車です。

ここ、7両セットにすると箱のサイズを変えないといけないので6両セットです。6号車がハブられてしまい、正しい金型が作られる機会を逃しました。2018年に3号車が単品で出ているので、3号車out6号車inで綺麗にフル編成になると思ったのですが。単品3号車はこのセットの半年前に廃盤になっていました。

これまでの金型の詰め合わせと思いきや、トロリ線摩耗レーザー装置を再現した2号車と、白い屋根が特徴の軌道検測車の4号車が新規製作されました。


2号車は単4電池2本でレーザーを模したLEDが点滅します。正直この機能はテコロジーでも良い気はしますが、電池式の方がコストが安そうですね。停車中も光りますし。

が、光漏れします。


原因はLEDとライトプリズムが離れていることです。

黒い紙やテープでその間を遮光します。また、プリズムの左右の凸も黒く塗るなどします。


光漏れを無くせました。

ちなみに基本的には走行中の前に来る方のパンタ車でレーザー測定をします。この製品は下リ検測を再現して1号車が動力、2号車が測定という形態です。もし改造で7号車にも動力、6号車にもレーザーを付けられれば、上リ検測ができます。

因みに実車では二つのパンタグラフの間にレーザー装置があるようです。Nゲージのカトー製品には再現があります。


この製品では足回りが新型になりました。従来の車輪(画像下)は車軸と車輪が別々で動き、どちらかと言えば車軸より車輪が回転するイメージです。

新型は車軸と車輪がはめ込みになっており(輪軸の状態)、そのものが回転します。なお台枠を通るかたちではめ込むため、分離が面倒です。また軸受に余裕がありすぎ、走り出すときに一斉に車輪が後ろに行きます。


4号車は付属のプラキッズを乗せることができます。


2022年以降はESシリーズ、2000円ほどで買える簡素化したシリーズにも登場しています。


ここからはサイドビュー。


923-1•3001(M1c) 1号車 日立製作所笠戸事業所製

車内は電気検測室で、2、3号車からの測定データをモニターで監視します。


画像では2007年の「自動のりかえ駅セット」を使用しています。電池交換が簡単なのと、屋根上標記があることで軍配が上がっています。

0番台は当時入手したもの、3000番台は2018年頃に頂いたものを使用しています。


923-2•3002(M‘) 2号車 日立製作所笠戸事業所製

車内はほぼ機器室です。電力やトロリ線の測定をします。パンタグラフは2個付いており、中央寄りが測定用で車端寄りが集電用です。進行方向の前になるときは測定用を上げ、レーザー測定をします。


画像では2020年の「いっぱいつなごうセット」を使用しています。車輪径が小さいです。なお屋根上標記が無く、車高が微妙に異なります。


923-3•3003(M2) 3号車 日立製作所笠戸事業所製

屋根には2号車のパンタを監視するドームがあります。

車内には電力•信号関係用のデータ整理室があり、テーブルや椅子があります。


画像では2018年の単品を使用しています。


923-4•3004(T) 4号車 日本車輌豊川製

軌道検測車で、床が高くなっています。従来の922形•925形では全長が短かったり、台車が3つ付いていたりしましたが、この形式は編成の他の車両に合わせたかたちです。

登場時は屋根が黄色でしたが、車内の熱の影響を抑えるため2006年に白に塗替えられました。

先頭車のカメラの映像を見られるほか、軌道関係用のデータ整理室があります。


画像では2020年の「いっぱいつなごうセット」を使用しています。実はこの車両目当てで2箱買っているわけです。


923-5•3005(M2) 5号車 日本車輌豊川製

屋根には6号車のパンタを監視するドームがあります。

休憩室があり、横になることもできます。


画像では2018年のプラレール博入場記念品を使用しています。この車両を2両と、もう一種類の記念品をもらうため、複数人で入った記憶があります。



923-6•3006(M‘) 6号車 日本車輌豊川製

屋根上は2号車と共通です。

車内はミーティングルームのほか、部品や機材を積むスペースがあります。


画像では2007年のプラレール博入場記念品を使用しています。

この車両を手に入れるか改造で作るかしないと、923形のフル編成は不可能です。


923-7•3007(M1c) 7号車 日本車輌豊川製

車内は添乗員室で、700系同様の3人-2人の座席が10列あります。


画像では2007年の「自動のりかえ駅セット」を使用しています。詳細は1号車と同じです。



検測車は1両1両が異なる形状をしているので、編成を組む難易度は上がります。

もし923形を引退までに揃えたい方がいるなら、頑張ってください。



ところでオチなんですが、4号車目当てで買ったいっぱいつなごうセットのうち4両と、自動のりかえ駅セットの2号車、それが2編成分なので合計10両の余剰が出てしまいました。見なかったことにします。



それでは、923形ドクターイエローの記事でした。

完全引退まではまだ時間があります。幸せをもたらす新幹線と言いますが、幸せのお返しをしてみてはいかがでしょう。やり方は…なんでしょう?