いつもありがとうございます。

Nゲージは日本はもちろん、欧州や米国でもその地の車両が製品化されています。

しかし日本の周辺各国と言えばそんなでもなく、台湾に鐵支路模型があったり、2000年代までは中国に他国の工場があったりと、そういった程度でした。韓国では鉄道模型そのものが禁止の印象です。軍事的なことと鉄道が関わっているから、という噂を聞いたことがあります。数年前には鉄道模型を販売しようとしたサークル?が、鉄道会社に断られたというのを聞いたことがあります。(その割にKTXのプラレールが売られているのですが…いいのか)


中国では2010年代にCMR LINEというブランドが誕生し、急速に発展しました。他国の製品を研究しさらに進化させ独自の製品を今日も拡げています。




さて、このブログではたまに出る「衝撃が走った」という表現が今回も出てきます。

2024年6月12日。東京都中野にある鐵魂模型様のツイートにより、日本の海外鉄界隈(特にアジア圏)に、とても大きな衝撃が走りました。それはそびえる火山に走る稲妻のように、あの立派な山の雷のように……と言うとネタバレになってしまうかもしれません。

 

なんということでしょう。ついに禁断の門が開かれてしまいました。

もうこれは買った者勝ちです。私も即座に注文しました。


その半日後の出来事でした。

 

あろうことか、もう予約が締め切られました。

7月20日に入荷し、当日中に店頭販売分まで売り切ったようです。恐るべし。


入荷直後に受け取れた方もいたようで、早速ツイートを見かけました。私も26日に初めて中野のお店に行って受け取りました。


お待たせいたしました。ご紹介しましょう。


長鳴火車模型 DF4B型ディーゼル機関車 朝鮮鉄路264号機


ついに半島初の鉄道模型製品が誕生しました。



外観ツアーと行きましょう。

機関室屋根上のホーン。よく見るとラッパの中がしっかり窪んでいます。


ここは何のためのパーツでしょう。エッチングで繊細に表現されています。

輸送時は破損防止のため、厚紙が挟まっています。


側面の手すりは金属線で一本一本作られています。

ヘッドライトはもちろんテールライトも点灯します。


ステップの穴も再現。



台車裏もディテールがあり、大きなスケールのメーカーのらしさを感じます。


まさかの室内モールドと室内灯付き。1個1個が小さなLEDでできています。


運転台も細かくできており、なんと運転席の肘掛もあります。

天井の丸穴にご注目。


前照灯用のLEDをライトプリズムで前照灯まで引っ張っているのですが、途中に丸穴を設けて機関室内に光が入るようにしてあるのです。

実際の運転中も室内灯つけっぱなしなのでしょうか。


大陸の車両限界は日本の新幹線と同じなので、こう見ると非常に大きく見えます。

特にこのディーゼル機関車は車両限界いっぱいの設計で、他の新幹線と並んでもやはり巨大です。


元々がHOゲージのメーカーのためか、連結器がケーディーカプラーに似ています。

中国国内の他社でもカトーナックルのようなものが多く、これで相互に連結できるようです。

※トリップピンが無いので自動開放はできません。画像に見える金属線はジャンパホースです。



しかし私にとっては初の中国模型、当然同じ連結器をもつ連結相手はいません。

トミックスのJC0310 アーノルドカプラーSCを付けてみました。

※連結器高さは合わないので走らせる線形に注意です。


唯一の付属品はヘッドライトのヒサシです。

ただしウレタンに余裕が無いので、これを付けるときは工夫が要ります。



中国国鉄東風4B(DF4B)ディーゼル機関車は、先代の東風4形の改良型として1982年より製造されました。製造数4568両で世界最大のディーゼル機関車です。

両数は不明ですが、2000年代には中国国鉄で廃車となった車両が朝鮮鉄道に無償譲渡されています。今回の模型はこれがモデルです。


264号機ですが、とある海外鉄による「北朝鮮に34人で行った」という記事に登場しています。ご興味のある方はぜひ。


この機関車の運用ですが、有名どころとして51•52列車が挙げられます。両国の首都を結び、北京から丹東まで来たK27次列車の新義州〜平壌が52列車、その逆が51列車→K28次列車です。所要時間は14時間です。

この機関車は国境を渡った直後の新義州と首都平壌の間を牽引します。

現在直通列車に使用されている客車は中国国鉄北京所属の25T系、朝鮮鉄道30系です。中国所属は深緑、朝鮮所属は白に青い太帯です。




こうして半島初のNゲージ鉄道模型は、日本国内でも無事に発売されました。(実は割と心配でした。)

ただし現状客車や貨車の製品がありません。一応中国国鉄から譲渡されたり同型を製造したりしているようなので、既製品でそれっぽい編成は組めます。

今後もしかしたら朝鮮鉄道製品がまた出るかもしれないので、そのときはまた。

あとは南側の動向にも注目ですね。