こんな本です。「お江戸吉原草紙」田中夏織 原書房
<目次>
第一章 吉原誕生
第二章 遊女と遊客
第三章 吉原の表と裏側
第四章 岡場所と私娼たち
第五章 近代吉原売春事情
日本の昔話の特殊性 をかって書いたのですが、この本の最初にその時代のことが書かれていました。色々文字が残るようになった平安時代から現代まで吉原を中心に書いています。江戸時代の吉原そのものについてはそれほど新しいことは書いてありませんでしたが、年代まで含めて丁寧に書いてあるのに好感が持てます。
しかも、明治時代までの吉原については本で読んだことがあるのですが、明治・大正・昭和から現代と連続的に書いてある本は少ないのです。第二次世界大戦前後の吉原の様子なども、しっかり書いてあり史料的にもおもしろいものになっています。ただ、お客の書き方がきついのは著者が風俗嬢だからでしょうか。ご愛敬の範囲ですけど。
驚いたのは、昭和に入ってからも身売りが続いていたこと。昭和6年に東北地方が冷害にみまわれ昭和9年には山形県で3298人の「娘売り」が出て、農村地帯から18才以上の娘がいなくなるという村まで存在していたこと。悲しいことに親は国が管理している「吉原」ならということで、娘は「親孝行」として吉原に行った、といいます。
あとは戦争中の従軍慰安婦のこと。いろいろニュースであるように現地でだまされたり強制的に連行された慰安婦は八~九割にのほります。それはそれできちんと補償をしなくてはならないのですが、日本から自発的に従軍慰安婦として出向いた遊女もいました。この人たちは「お国のために」と「兵隊さんと生死をともにする」つもりで大陸に渡ったわけです。それなのに「軍の機密を守る」ということで戦地に置き去りにしたり、爆死させたりしているのです。軍の戦死者の家族には軍人遺族年金が支給されていますが、従軍慰安婦については年金など支給されていません。それどころか従軍慰安婦の名簿すらないのです。
軍隊は自分の都合の悪いことには一切対応しません。それが軍隊の本質です。
日本の軍隊だけではありません。アメリカの軍隊にしても、吉原にやってきて「ゲイシャガール」と遊ぶわけですが、行列ができるほど大盛況になります。しかし、建物を分けて、この建物は「白人専用」、この建物は「黒人専用」、これは「将校専用」となるのです。日本に来て、男と女の関係で人種差別が発生するのです。まさに悲喜劇です。
明治・大正・昭和の吉原について、今まで読んだどの本よりも詳しく書いてありました。
<目次>
第一章 吉原誕生
第二章 遊女と遊客
第三章 吉原の表と裏側
第四章 岡場所と私娼たち
第五章 近代吉原売春事情
日本の昔話の特殊性 をかって書いたのですが、この本の最初にその時代のことが書かれていました。色々文字が残るようになった平安時代から現代まで吉原を中心に書いています。江戸時代の吉原そのものについてはそれほど新しいことは書いてありませんでしたが、年代まで含めて丁寧に書いてあるのに好感が持てます。
しかも、明治時代までの吉原については本で読んだことがあるのですが、明治・大正・昭和から現代と連続的に書いてある本は少ないのです。第二次世界大戦前後の吉原の様子なども、しっかり書いてあり史料的にもおもしろいものになっています。ただ、お客の書き方がきついのは著者が風俗嬢だからでしょうか。ご愛敬の範囲ですけど。
驚いたのは、昭和に入ってからも身売りが続いていたこと。昭和6年に東北地方が冷害にみまわれ昭和9年には山形県で3298人の「娘売り」が出て、農村地帯から18才以上の娘がいなくなるという村まで存在していたこと。悲しいことに親は国が管理している「吉原」ならということで、娘は「親孝行」として吉原に行った、といいます。
あとは戦争中の従軍慰安婦のこと。いろいろニュースであるように現地でだまされたり強制的に連行された慰安婦は八~九割にのほります。それはそれできちんと補償をしなくてはならないのですが、日本から自発的に従軍慰安婦として出向いた遊女もいました。この人たちは「お国のために」と「兵隊さんと生死をともにする」つもりで大陸に渡ったわけです。それなのに「軍の機密を守る」ということで戦地に置き去りにしたり、爆死させたりしているのです。軍の戦死者の家族には軍人遺族年金が支給されていますが、従軍慰安婦については年金など支給されていません。それどころか従軍慰安婦の名簿すらないのです。
軍隊は自分の都合の悪いことには一切対応しません。それが軍隊の本質です。
日本の軍隊だけではありません。アメリカの軍隊にしても、吉原にやってきて「ゲイシャガール」と遊ぶわけですが、行列ができるほど大盛況になります。しかし、建物を分けて、この建物は「白人専用」、この建物は「黒人専用」、これは「将校専用」となるのです。日本に来て、男と女の関係で人種差別が発生するのです。まさに悲喜劇です。
明治・大正・昭和の吉原について、今まで読んだどの本よりも詳しく書いてありました。