アメリカのギャラリーのWebでおもしろいものを発見しました。同じ広重の作品で、「大橋あたけの夕立(名所江戸百景)」なのですが、こんなに違います。ええ!!

1.1892年明治に入ってから摺られた浮世絵
大橋_明治   

2.初期(1858年)に摺られた浮世絵
大橋_初期


二つの浮世絵を比べてみてください。
橋の色も違いますし、一番大きいのは黒い雨雲のぼかしと川の水野ぼかしですね。「浮世絵『名所江戸百景』復刻物語」東京伝統木版画工芸協会編 芸艸堂 によると摺るのにやはりぼかしが一番大変のようです。版木をぼかし雑巾で拭き、ぼかす部分に絵具をのせ、刷毛でのばすと、版木の水分で絵具は広がっていきます。その状態を紙に写しとることでぼかしの効果が得られます。摺師の技術でぼかしそのものが変わってきてしまいます。
確かに江戸時代、この広重や北斎、歌麿など天才的な絵師がいてすぐれた浮世絵がたくさんできたわけですが、かれら絵師だけではありません。絵師からの下絵を彫る彫師と色をのせてぼかしをつける摺師がいたからこんなステキな浮世絵が残っているのです。名前も残っていない彫師・摺師の職人技が浮世絵という美術品をつくりあげたのですね。 ぱちぱち

ちなみに明治の浮世絵は$300で、初期摺りは$50,000だそうです。なにかずいぶん安い気がします。$300だと今レートは104円くらいですから、31,200円ですし、$50000にしても5,200,000円です。約3万円というのは復刻版とか高価なポスターの価格ですし、なんでも鑑定団で同じ江戸百景の梅屋敷が確か2千万円くらいだったように覚えています。状態によっても違うでしょうし、そもそも安いと言っても買える値段ではありません。(笑)

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