こんにちは、ほたるです。


続きです。


「納得できた?安心した?」と、YMOさんに聞きました。「はい、安心しました。ありがとう」明るい声になりました。

「それはよかった。私も安心した」

それにしても、プチグレンさん、YMOさんの訴えをちゃんと聴いていたのかな。

YMOさんが知りたかったのは、打っても大丈夫なのかということであり、結果ではないのです。

そして、安心したいということです。


手術前の患者さんは、すごく緊張しているし、不安があるのは当然です。それを少しでも和らげるのは、看護師の役目だと思います。

そのために、わかりやすく説明したり、時には手を握ったり、背中をさすったりと、色々方法はあるはず。そして、どんなことに不安を感じているのかを察知することが、とても大切だと思います。


この場合、YMOさんが何を一番伝えたいのかということをしっかり理解できていたら、リーダーを呼ぶことはなかったかもしれません。

そうは言っても、実力者ナースバロンさんのように、的確な対応をナース2年目のプチグレンさんに期待するのはハードルが高いのかもしれません。

ですが、私たちは誰が何年目のナースなのか、見分けることはできないし、それがわかったところで、私たちには関係ないことです。


私たちにとって重要なのは、安心、安全に医療を受けられるということです。

ですから、ナースの役目は、患者さんの安心、安全をできる限り確保することだと思います。

それには、患者さんの声に耳を傾けること。

この人は何を伝えたいのだろう。どんなことに困っていて、どうしたいと思っているのだろうということを聴く力が大切だと思います。

そして、患者さんにどう伝えるかということです。


私は、マスクしてくださいと、あたかもターゲットにされたかのように注意されたわけですが、言い方ひとつで、相手を不快にさせないことは充分できます。

これは、私の勝手な想像ですが、配薬のため、部屋に入って来たら、私がマスクなしで喋ってる。

マスク、してないよね。じゃあ、注意しなくてはという流れが彼女の頭に浮かんだのでしょう。

同じことを言うにしても、不快にさせない言い方、伝え方はあると思います。

例えば「あら、お二人は仲がいいんですね。

ほたるさんはクロシェさんを労わって、素敵。でも、マスクをしてくださいね」

というように言ってくれたら、どうしてアタシだけと、むっとすることはなかったのではないかと思います。彼女には、そこまでの余裕がないのでしょうけど、「おしゃべりもいいですが」これは、テンプレートのように聞こえてなりませんでした。


私たちは医療に身を任せる側です。手術台に乗ったら、まな板の鯉。

だからこそ、安心して任せられるような配慮や気遣いがとても大切なのだと思いました。