こんにちは、ほたるです。


続きです。


それは、マスクをしてと注意された夜、就寝前のことでした。

明日股関節の手術をするYMOさんが何か不安なことがあるのか、そわそわして落ち着かない様子です。

「なに?どうしたの?大丈夫?」と声をかけると、

YMOさんは言いました。

「オペ室に行く前に、インシュリンを打つって聞いて、心配で。24時から禁食で、翌朝7時から飲水禁止ですよね。血糖値が下がってるのに、打っても大丈夫なのかなって、気になってきちゃって」

YMOさんは30代から、インシュリンを打っているそうです。

「そうよね。それは不安になるわよね。受け持ちの看護師に聞いてみたら?」

今夜の受け持ちって、誰だ?

あのプチグレンさんか。

2年目のあの子、どう対応するかな。


YMOさんがプチグレンさんに、この件を確認してもらうように頼み「ステーションで聞いてきます」と言って、部屋を出て行ったプチグレンさん。

しばらくして、戻って来ると「インシュリンは打ちます」と、プチグレンさんはそれだけ言って、部屋を出て行きました。


「YMOさん、納得できた?」と聞くと「いや、してない。できないです。余計不安になってきました」

「そうだよね。結果を知りたかったんじゃないんだもんね」

YMOさんが知りたいのは、血糖値が下がってるのに打っても問題ないのかということと、なぜ打つのかということだからです。

プチグレンさん、そこ、ちゃんと理解してるのかなぁ。

私自身、不安を沢山抱えて、今回の手術を臨んだから、他人事とは思えませんでした。

「ほたるさんの言う通り。それを知りたいって言ったんだけどな。でも、まぁいいかなぁ…」

と弱気になるので、「オペ前は不安を一つでも消そうよ。安心して、手術を受けたいじゃない。我慢しなくていいわよ。あ、ちょっと待っててね」


私にいい案が浮かびました。

プチグレンさんに、もう一度きいたところで拉致があかないと思った私は「今夜のリーダーさんは誰ですか?」と、ステーションに聞きに行きました。


部屋に戻り「リーダーさんが来るようにお願いしたからね。納得できるようリーダーさんに話してね。そこから先は、私はノータッチだから」


今夜のリーダーさんは誰だろうと思っていると、

「ほたるさん、どうした?」とやって来たのは、実力者のバロンさんでした。

「バロンさん、ありがとう。私じゃないのよ。

YMOさんが手術のことでナイーブになってるようだから、話を聞いて上げてくれるかな」


バロンさんはこのように説明していました。

「それはね、全然大丈夫。インシュリンとはまた違う注射だから。オペ前に打っても問題ありません。

ここには糖尿病専門医のリジエール医師が控えていて、その指示のもとに我々は動いているから、安心して下さい。

裏に専門医がいて、ちゃんと血糖値をコントロールしてますから」


さすがバロンさん。

簡潔に、わかりやすく説明していました。


続く