こんにちは、ほたるです。


2022年5月23日、2回目の診察日。

初診でオペを保留されましたが、今日はよい返事がもらえるかもしれないと期待をして、診察室に入りました。

Dr.Greenは「ほたるさ〜ん、歩けますか?」と大きな声で、診察室のドアを開けてくれました。

先生はいつもそうです。それが、先生の流儀でした。


先生に「メンタルの先生は、なんと言っていましたか」と尋ねられ、「手術を受けるのに、パニック障害は支障がないとのことでした。処方されたお薬でコントロールできるとのことです」と答えると、先生は「よしよし」と。

しかし、脾臓に関しては、厳しい回答でした。

「脾臓がない人が、この手術を受けた症例をくまなく探しましたが、今のところ、一件しか見つけられませんでした。それも、成人になってから脾臓を取ったケースです。小児の時に取ってしまう場合と、成人になってから取った場合とでは、免疫のシステムが大きく異なるのです。

前回もお話したけど、脾臓は免疫を司る臓器です。

防衛隊みたいなものです。

成人してからの場合は、ある程度そのシステムがどうなっているか予測が立てられるのですが、小児期に取ってしまうと、その免疫システムがどうなっているのか、ほとんどと言っていいくらい手がかりがないのです。というか、わからない。

ですから、この症例は、ほたるさんには参考にならないかもしれない」

私はドクターの言葉を理解するだけで、精一杯でした。

「海外の文献も探したけど、見つからなかった。というのも、ほたるさんのようなケースは、最初からオペしないという判断をドクターがしたということなんだろうね。アメリカでは、すぐに訴訟を起こされるからドクターが嫌がる、そういうことなんだろうと思います。というくらい、身体に人工のものを入れるということは、感染症に特に注意を払わないといけないということなんですよ。

人工股関節には血管が通ってないから、万が一、細菌が繁殖しちゃうと、自分の身体では治しようがない」


初診時より、さらに厳しい答えが返ってきました。

心が折れそうになり、オペできない、してもらえないと思ってしまい、涙ぐみました。

「先生、手術できないということでしょうか」

涙声で聞きました。

すると、先生はティッシュボックスを差し出して、

「泣くのはまだ早い。私はできないとは言ってないよ」と言い、ティッシュを何枚か、私に渡し、

「このティッシュは病院のだから、いくらでも使っていいから。それに質のいいものらしいから、ドンドン使って」と、冗談を言ってくれ、私は泣き笑いになり、「涙は最後まで取っておこう」と言ってくれました。

そして、「手術が怖いなんて言っていられないと思った時が、手術をするタイミングですからね」