輪行 | a frog in November

a frog in November

11月のかえる

バスで輪行することにしました,とのテロップを観て,りんこう,って何だろう,って思った.

きのうのNHK BS,にっぽん縦断・こころ旅,でのこと.
番組は,視聴者からの思い出の地を次々に目指して火野正平が自転車で走行し,日本を縦断していくというもの.ドラマでは,若い頃はチンピラ,最近は強面が多い気がする火野さんですが,ここでは素のいい人部分で地元の人とののんびり交流も満載である.

番組では自転車でよる移動が原則.が,中には,自転車走行禁止区間,とか,走行が困難なほど道の傾斜がひどい場合,とかがあり,そういう時は列車やバスに自転車をたたんで積み込むことになる.で,きのうのバスで移動する場面で,輪行,がテロップに登場したというわけである.
でも,“バスで輪行”,ってちょっと不思議な響き.自転車をバスで移送することを,何故,輪行,と呼ぶのだ?従来からある日本語なの?

で,調べると,輪行,という言葉は辞書サイトにも載っていて,公共交通機関で自転車を運んで移動すること,となっている.日本語ですね,一応.

Wikiだともう少していねいで,自転車を移送することだが,手段は公共交通機関に限られ,自家用車などは含まれない,とある.もともとは競輪の選手が競技場以外の場所(自宅とか)から競技場に自転車で自走して移動することを仲間言葉で,輪行,と呼んだ(うん,これなら理解できる)ことから始まったとのこと.
で,問題の移送については,“自走が困難な場合,この自転車を公共交通機関で運ぶという手段があるが,その際,たたんで袋に入れれば(本来なら大き過ぎるのだが)特例として手回り品として認められる.この移送用の袋を作った業者が,輪行に付随して用いられるので,輪行袋,とネーミングし,やがて,公共交通機関で運ぶことそのものを,輪行,と呼ぶようになるに至った”,のだそうだ.ついでながら,これは競輪選手や自転車愛好家が使う言葉で,公共交通機関関係者は用いない,とあります.なるほど.

しかし,これだと,“袋”,がつく前とついて離れたあとで,言葉の意味が変化したということになる.もともとの意味が“袋”が離れた後では失われている.
Aさん(彼)はBさんと結婚しました.そして彼はBさんの夫となりました.その後,彼はBさんと離婚しましたが,その時は,彼はBさんの元夫であって,Aさんではありませんでした,ってこと?

なんか適切な例が浮かばないのだけど,こういうタイプの意味の変化って,他にあるのだろうか?