エリートと天才は人間じゃない,と伊集院氏は言った | a frog in November

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11月のかえる

少し古くなってしまったが,伊集院静が週刊文春の1月17日号(ことしの最初のやつ)で,エリートと天才は人間じゃない,と記している.
これは彼が持っている読者からの質問コーナーでの答えの最後を締めくくる言葉だ.

伊集院さんは文春に長いことコラムを書いているが,最近(っていつからかはっきりしないけど)は質問コーナーとなって,かなり過激に見える回答をしている.ただし,過激に見えるだけで,非常に論理的で,昨今の社会情勢の背後を見透した(見通した,かな)卓見に思える.

この,エリートと天才は人間じゃない,というのも,東北の復興の遅れについての意見で,“すべてを官僚,役人のせいにしたがるが,彼らがそこまでの鬼畜とは信じ難い.もし,それでも霞が関に巣食っているのがそういう性悪と言うのなら彼らを牢獄にぶち込む法律を作ればいい”,に続く結びだ.
つまり,彼の言わんとするのは,復興の遅れの本質は建設業界に国や国民の家を作るという信条がないからであり,そういう“バカたち(原文のまま)”がこしらえるからトンネルまで崩れて人を死なせるんだ,ということだ.

丁寧に読まないと,彼さえもが単純な官僚批判に陥っているような書き方になっているので,注意が必要だ.

まあ,エリートと天才は人間じゃない,という部分は伊集院さんの本音のような気もするが(笑).