名刺を渡すだけの話 | 「賛否両論 笠原将弘のオールナイトニッポン」オフィシャルブログ by Ameba

名刺を渡すだけの話

武蔵小山駅のホームで電車を待っていた。
目の前に浅野温子風の女性が、携帯電話でしゃべりながら、早足で歩いて来た。女性はちょっとイライラしている感じだった。

名刺を渡せばわかるから!女性は言った。声が大きいので、聞く気はないのだが気になってしまう。
だから名刺を渡せばわかるのよ!
女性の声のトーンが、上がって来た。
名刺を渡すだけでいいの!更に女性の声が大きくなった。電話の向こうは、どんな人なんだろう?僕は気になって来た。
名刺を渡すだけの事でしょう!!
どんだけ電話の相手は理解力が無いのか?それとも反抗的なのか?日本語がわからないのか?

だから名刺を渡すだけの話でしょう!!
女性のイライラは凄まじくなってきた。僕は思わず女性を二度見した。
名刺よ!名刺!!それでわかるのよ!
女性と目が合ってしまったので、時刻表を二度見するふりをした。
何回言わせるのよ!名刺を渡してって言ってるでしょう!!
ここまでくると、僕までイライラしてきた。
電車がやって来た。
いい!!名刺を渡してちょうだい!それでわかるから!女性は携帯をガチャ切りすると電車に乗った。僕も乗った。女性はハアとため息をついていた。
たいへんですね。
僕は心の中でつぶやいた。名刺はちゃんと渡されたのだろうか?
名刺を渡すだけの話でした。