「お客さーん、いったい何しにいちゅが?」
サトウキビ畑を眺めてる私に、タクシーの運転手が声をかけた。
「はい?」
「だから、喜屋武岬にひとりで、いったいなんの用がある?」
タクシーのおじさんは、ゆっくり言いなおした。
「なんの用って……、いちおう取材?かな」
「なーんだ」
そう言って、おじさんはハンドルをゆっくり右に回した。
その時、私ははじめて気づいた。
(そっか、喜屋武岬って自●の名所でもあるから、ひとりで行くのは不審がられるよな)
といっても、さっきからサトウキビ畑をずっとクネクネ曲がってるだけ、本当に着くのだろうか?
そう思っていると、タクシーはやっと背の高いサトウキビ畑を抜けて、海を目の前にした崖っぷちに到着した。
「ここ……?」
そうここが、沖縄の最南端
「喜屋武岬きゃんみさき」
である。
なんというか、ちょっと寂しい所だな。
だが、ここは第二次世界大戦の、いわゆる沖縄戦で、多くの犠牲者を出した所でもあるのだ。
寂しい所……
いや、そう感じたのは間違いだ。
きっと、ここで亡くなった戦没者の人たちの悲しみが、そのような感情に変えたのかも知れない。
沖縄南部は、特に沖縄戦で一般人の被害が多かったと言われている。
そんな悲しい事実に、似合わないくらい、沖縄を囲むコバルトブルーの海が、キラキラと輝いて、私を迎えてくれているようだった。
「お客さーん」
その声に振り向くと、タクシーのおじさんが、退屈そうにタバコを吸いながら待っていた。
もう、10年以上前になる。
当時私は、よく取材で遠征していた。
沖縄は3回くらい行った。
取材は、もちろん事前にアポをとってから、あの沖縄戦を体験した、ご高齢の方に会って、色々とお話を聞かせていただいた。
そして、私にとって重要なのがもう一つ。
行く先々で、出会った人たちに、聞きまくるだ✨✨
ドラマみたいに、偶然だれかと出会って……みたいなことは、現実起こらない。
だから、自分から出会いに行って、自分からドラマをつくっていく。
それが大事なのだ。
お昼ご飯を食べに行った、国際通りの裏手にあるオシャレなカフェ店員さん。地元ならではの話を、色々聞かせてもらった。
平和記念公園を少し外れた海沿いの道で出会ったおばあさん。食べかけの青パパイヤと、食べかけのアイスをくれた(笑)
そして、孤島に向かう船で出会った、自衛隊員さんと友達になり
久高島を一緒に回ることになった✨
とっても神聖な島、久高島
今は、島民が住む島だがかつては、ユタの方々の修行の場であったそうだ。
自然がそのまま残されたところ、でも大きな蜘蛛がいたるとこにいて、たまらなかったなー💧
本島に戻ってから、友達になった自衛官さんに車で色々と連れて行ってもらった✨
取材で、3回もひとりで訪れた沖縄だけど、沖縄は一言でいうと
「超自然体」
沖縄南部は、ほとんどそのまま残されている。
そしてそれは、沖縄の人「ウチナンチュ」もそうだ。
とってもいい意味で、沖縄の人たちは
人柄や、優しさが「超自然体」なのだ。
そう思いながら、超自然体のゴーヤの漬物の苦さを味わうのだった。
ひさびさのエッセイでした✨
また旅など行ったエッセイを書こうと思います✨✨✨✋
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