moss blog


武蔵小金井にある「リストランテ大澤」でお昼ごはん。
旦那さんのご両親とひさしぶりの会食です。

駅からバスで10分ほどの住宅街の中にある
古い日本家屋を改装したイタリアンレストランです。
テーブルからは立派な日本庭園が一望できます。

シェフのおまかせコースをいただきました。


前菜は
秋刀魚のマリネに北あかりのピュレをそえたもの。
上にはコンソメのジュレと、みょうがなどの香味野菜がのっています。
ピュレは想像以上になめらか~で、ジュレもぎりぎりゆるゆるな固さで
秋刀魚はさぞ居心地が良いことだろう・・
食べなれた旬の味も、このように目先を変えて供されるととても新鮮です。


2皿目はパスタ。
いか墨を練りこんだタリオリーニを、
あおりいかと万願寺唐辛子などたっぷりの野菜と和えたもの。
ズッキーニや冬瓜なども角切りで入っていました。
ガーリックオイルベースで、あっさりめの仕上がり。
イタリアン、というより「和」な印象を強く受けます。


つづいてリゾット。
百合根のリゾットを一口大に丸く固めてこんがり焼いた焼きリゾット。
その上に生がきと三つ葉、ごま、スープが少しかかっています。
これらを一緒に口に運ぶと
リゾットの香ばしさとかきの磯の香りが見事にマッチします。

おこげに汁がかかって、三つ葉やいりごまが散らしてあって・・
なんだか遠くにお茶漬けを感じました・・
でも、そういうなつかしさや思い出に結びつくものって
美味しいという感覚を喚起させるための重要な要素であると思います。


メインはお肉を選びました。
湘南みやじ豚と野菜のカチャトラ風。
「カチャトラ風」とは、オリーブやケッパーなどを加えた煮込み料理のこと。
トマトソースベースで豪快に煮込んだものが出てくるかと思っていたら
澄んだスープの上品なお皿が登場。
オリーブ、ケッパーを加えたポトフのようかんじです。

豚肉は、しっかりとしたかみごたえですが、筋っぽくなく、そして甘い。
美味しい豚肉といえば必ずや「脂身がうまい」というコメントが付きものですが、
こちらも然りです。
野菜も、れんこん、にんじん、ポワローねぎ、マッシュルーム、
ちりめんキャベツ(生食には向きませんが、むぎゅっと肉厚で白菜のようなかんじです)など
ふんだんに入っています。


デザートは
いちじくのザバイオーネ。
いちじくの赤ワインコンポートにキャラメルジェラート、
ザバイオーネクリーム(カスタードに似たようなもの)がかかっていて、
表面を軽くバーナーであぶってあります。
もう、間違いない組み合わせです。
お皿にかすかに残ったクリームも意地汚くひっかいてなめた次第です。

余談ですが、いちじくはたぶん、日本で出回っているタイプではなく
輸入物の小粒で実がギュっと詰まったものではないかと。
果物や野菜など、あまり輸入物は積極的に食べたくはないほうですが、
このいちじくに関しては特別で・・
干しいちじくによく使われる「ブラックミッション」という種で、
小粒の中に甘味がぎゅっと凝縮されたような味わいなのです。


全体的に野菜が多かったせいか
食後感も重くなく、
イタリア料理を食べたという感覚は薄かったような。
偶然かもしれませんが、
まわりはご年配のお客さんが多かったのもうなずけます。

お料理自体も美味しかったのですが、
やはりこの都心からちょっと離れた非日常感あふれるロケーションがよかったなと。
柔らかなひかり差し込む窓際のテーブルで昼間からグラスかたむけるなんて
本当にぜいたくなことであります。
ま、私のグラスはノンアルコールなんですが・・

ご両親も美味しいもの大好きな方たちで
なんだかんだで食べ物の話が中心になります。

ちなみに
お父さん方のおじいさんは甘いものが大好きだったそうで
ごはんにあんこをのせたり、砂糖をふりかけてじゃりじゃり食べていたそうです。
聞いた瞬間ぎょっとしましたが、
おはぎみたいで意外と美味しそうかも・・なんて思えてきました。


帰りは吉祥寺に寄りみち。
お皿と折り畳み傘を買いました。

なんだかとてもうきうきした気持ちになりました。