私は姉は2人で岡山にあるふたば幼稚園に通っていました(今はもうないけど)。ふたば、と言う感じは、スマホでは出てこないけど、難しい漢字のふたばです。そこでは、「ごきげんよう、さようなら。」を呪文のように繰り返しいわされました。名詞には、ほとんど「お」をつけます。つまり、お箸とか、お靴とか、お大根とか、おコタ(コタツの事)とか、すべてがそんな感じ。クリスチャン系の幼稚園だったので、日曜日は教会に礼拝に行きました。ちっともわからなかったけど、スタンプをもらえるので、それが楽しかったので行きました。


幼稚園の卒業間近の頃、クラス全員が休みだったので、先生に聞きました。「なんでみんないないのですか?」。先生は、「お友達は、みんな風邪をひいたのよ」と言ったけど、私と姉以外の全員が小学校のお受験でした。


私たちは転勤族だったので、受験する必要がなかった。岡山から千葉に移って、私たち2人は、名詞に当たり前のように「お」をつけていたけど、周りのお友達は誰もそんな事はしません。私と姉は不思議に思って、2人で相談しました。

「なんか、みんな、お、をつけないね」

「そうだね」

「お、をつけないで話したほうがいいかもね」


それから、私たちは気をつけるようにして、みんなと同じように話をすることにしました。

岡山は果物が豊富で、特に白桃がおいしかった。皮が薄くて包丁を使わなくても手で剥けます。千葉に来た時、桃を食べたら硬くて驚きました。私たちは、パパにこういったの。

「この桃、お大根みたい」。

パパはそのことをよく覚えていて、大きくなってからも笑って話していました。


私は、もう「お」をつけません。笑われちゃうからね。