2020年東京オリンピックを真に意義あるものにするために

 

 「多様性と調和」を掲げた東京2020オリンピックが8月8日閉幕。一年の延期、日本を含めたパンデミック下、ほぼ無観客、等々の中で挙行された。


 IOC・日本の開催主張に対し、日本に於いても、世界に於いても賛否が激しかった。が、閉幕にあたって米仏中の首脳は「成功」「素晴らしかった」等の祝意を寄せた。しかし、世界のメディアは「パンデミックに対する勝利」と評する者、「競技場が幽霊船と化した」と否定する者に別れた。開催前の朝日新聞の7月19日世論調査は開催賛成33%、反対55%。しかし閉幕当日8日は、開催して良かった56%、良くなかった32%と逆転。なお読売新聞の8月9日の世論調査は、開催されて良かった64%、良くない28%であった。


 8月8日時点の日本の新型コロナウイルス感染者は1万4472人で開催前より3倍増。だが多数の国民がテレビ観戦ステイホームをした事実もあり、オリンピック開催の原因により感染者が急増したか否かは現時点では未だ不明とのこと。


 開催に反対した人には「船頭や運転手は船酔いや車酔いをしない」という事実から、学ぶべきことがないか検証してほしい。

 

 スポーツ界に民主主義を


 開催に賛成した人にはオリンピックの①商業主義、②勝利優先主義、③幹部の差別意識や金銭感覚麻痺の改善を進めてほしい。とりわけ㋐一部選手に税金を投入することを改め、国民全体のスポーツ・健康の向上に税金を投入すること㋑スポーツ界の上意下達、非民主的体質を改善すること(もっとも、そういう上意下達の元スポーツ選手を「使いやすい」とする社会の風潮も改めねばならぬのだが)を進めてほしい。成否はこれらの結果に懸かっている。