”テーマ”を限りなく増やしても仕方ないので”わかめ”の項目に入れますが、最近昆布の出番が少なくないでしょうか。
 以前「料理の哲人」という番組があり、道場さんのアイディアが毎回興味深かったものですが、腑に落ちなかったのは、だしがかつおだけで昆布を使っていらっしゃらなかったこと。何故なのでしょうか。
 市販のめんつゆ(あまり使いませんが―ー因みに使うとするとC生協のにしています。びんがリターナブルなので)も、そのまま使うのではなく、昆布だしに混ぜるように使うと見違える(味わ違える?)ようにおいしくなります。
 化学調味料も、もともとグルタミン酸ソーダを”うまみ”のもとであると解明した学者も、それを昆布から見出したのではなかったでしょうか。
 かつおぶしももとは魚なのですが、かつおぶしをカリカリ削る人は100人に一人もいなくなっているでしょう。かく言うわたしもここ何年かはちゃんとカリカリ削ることがほとんどなくなってしまいました。ですから、かつおぶしが海からきているということがあまり意識されることがないような気がします。しかも使うとしてもだしとしてでなく冷奴などにかける花がつおというのが一般的なのかもしれません。
 それが海から来た、海水の中で育って、なびいていて、ウニなどのえさにもなっていたーーという出自を彷彿とさせるのは、なんといっても昆布です。 
 福音館の”こどものとも”シリーズに、題名をわすれましたが、山の人が、あるときはじめて海というものを知って、昆布を宝物のようにおもったというストーリーの絵本がありました。昆布はほんとうに天の恵み。
 その恵みの昆布を水に入れて煮るときにトリチウムがいっしょに浸み出してくるかとおもうと怒り心頭です。”六ヶ所”についてあまり反応しない方ーーの全部とはいいませんがーーは、ふだん料理をしないか、しても”ほんだし”の類を使っている・・・ということはないでしょうね・・・