「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 」 の山田真哉氏による新会社法の入門書である。
 
「つまみ食い」というだけあって、ほんとにサワリ程度の内容を掻い摘んで解説した内容だ。

「次の方々は決して読まないでください」ということで真っ先に挙げられている条件が「法律専門家の方」であるあたりからも察しはつくわけだが、ほんとにエッセンスだけの本である。

正直、商法は読んでてシンドイ。文体は古いし、回りくどいし、毎年やたらと改正されるし、専門でなければ追いついていけない。
もちろん、法務担当者はきっちり理解しておく必要があるだろうが、それ以外の人にとっては会社法なんてざっくり分かっていればいいような気もする。
つまり、この本はそういう、「ざっくりとしたことが分かっていればいいや」という人向けに書かれた本である。

よく「新会社法」ってニュースで言ってるけど、そもそもそれって何なの?という人には是非読んで欲しい、軟らかい本だ。すでに会社法を一通り学んだことがある人でも、差し迫った必要性がなければこの本で充分一般教養レベルは満たせるのではないか。
ちなみに僕はビジネス実務法務検定2級 の勉強をしていたり、会社法 」を読んだりしていたので、「つまみ食い」を標榜する本の中身をさらにつまみ食いした感じで読んだ。

かなりざっくりした内容なので、もしイヤでなければこの本で得た知識を土台にして、新会社法の条文に当たってみるのも良いのではないだろうか。

起業を目指す者としてはウレシイ改正もあり、どのようなスタンスで起業するのか(個人事業主なのか法人なのか、法人だとしたらどういう形式の法人なのか)の選択肢を知るためにも、ベースとして必要な知識だろう。

(楽々お勉強度:★★★★☆)

山田 真哉, 宮崎 剛, 緒方 美樹
図解 山田真哉の 結構使える! つまみ食い「新会社法」