インドのIT技術者はスゴイという話をよく聞きますが、カーストはどうなったのか気になり、たとえばスードラはコーディングしかしちゃいけないとか、HTMLでもCSSはクシャトリアしか使っちゃいけないとか、テーブルタグ専門のカーストがあったり、改行タグ専門のカーストがあったりするのだろうかと妄想を逞しくしておりました。

そんなときに目にとまったのがこの本。

きっとこの本には、カーストとITについて書かれているに違いないと思って読み進めましたが、もっと広い話が盛り込まれていました
どちらかというと、もっと日本もインドとの経済交流を深めていくべきだという話が、成功事例と共に書かれていました。
もしろん、折に触れカーストやITなどについても言及されておりましたが、そんなミクロな視点に拘泥することなく、現在のインドという巨大国家の素顔をビジネスマンの観点から広く浅く描いている印象を受けました。

はずかしながら、僕はインドという国を、いまだに道は穴だらけで、そこら中に牛が寝そべっていて、異臭はなはだしく不衛生な、経済的に貧困な国というイメージで捉えておりました。
ところがこの本によると、そのようなインドの姿は十年以上も前の話で、いまや地下鉄も走り、貧富の差はあるものの国民の生活水準が全体的に向上しているようです。

もしかしたら、もう遺体をガンジス川に流したりもしないのでしょうか。

(インド発見度:★★★★★)

島田 卓
巨大市場インドのすべて