三木句会ゆかりの仲間たちの会: 原宿美都子さんのエッセイ | sanmokukukai2020のブログ

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        三木句会ゆかりの仲間たちの会: 原宿美都子さんのエッセイ

 

 

        2歳ほどの保育園児らが、皆で手をつないで歩いていたり、4,5人

       まとめて手押し車にのせられて行くのにであったりすると、いつまでも

       眺めていたくなる。

        本人たちは、どんな気持ちで散歩しているんだろうと思い、2歳半

           くらいから保育園のお世話になった娘に、少し大きくなってから、2歳半

       くらいの頃、どんな気持ちで保育園で過ごしていたのか聞いてみたが、

       あっさり『覚えていない』。

        自分の記憶をたどると、幼稚園でのことなので4、5歳くらいの

       頃か、いつも着物に袴の厳めしい園長先生が、ある朝ふっくらとした

       八重桜を一輪持ち、園児をまわりに座らせて、何も言わずその花びらを

       1枚ずつひらひらと落としていくのを、何をしているんだろうとぼんやり

       していたら、すべての花びらがなくなると先生は『花びらは何枚ありまし

       たか』と質問。すると『何十何枚です』と答えた男の子がいてびっくり!

        その子は後に同じ高校になり、医者の道へ。『栴檀は双葉より芳し』

       ってあるんだなあと忘れられない。

 

 

 

 

              

                                                                              photo: y. asuka

                          塩桜のびのびと湯にほどけおり    原宿美都子