加藤光樹の俳句 加藤光樹の俳句 『句集 風韻』より ひとの瞳にやどりて春の星匂う 春の虹言葉の翳は消えやすく 花冷えの空まで無音街休日 翔つは易しあえて天道虫攀じる 陽炎や奇想天外には生きず 亀鳴くや不精の意地を立てとおす 菫一輪空の碧さのひとしずく 春の闇振り向かざれば背に重く 牡丹の一輪と対座して足れり 脇役者逝くふらここのふと揺れて photo: y. asuka 霾や壺絵にありしスフィンクス 岡井省二