2016年の初釜 | 四角いけれど丸くなりたい

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お茶に関わる様々なことを書いていきます!
でも、お茶は勉強し始めたばかりなので、分からないことだらけです。よろしくお願いします。
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1月6日、お茶事の初釜に参加させていただきました。

お茶会には去年から参加させて頂いていますが、前回教えていただいた作法を少しだけ実践できた気がします。


お茶の作法はまだまだできていないですが、少しずつお茶のことがわかってきました!

たとえば懐石では、汁物のお碗に料理を載せたり、食べ終わったら自分の持っている
懐紙でお皿をふき取ったりするのですが、それは無駄を省くための工夫のようです。お茶は難しい作法ばっかりと思いがちですが、その作法は無駄を省くために考案されているようです。

立花大亀老師の軸がありました!

さて、今回の初釜では、立花大亀老師の
「三級浪高魚化龍(三級浪高くして 魚 龍と化す)」というお軸がかけられていました。

三段の浪は高くそびえたっているが、魚はそれを超えて龍となっていくというような意味で、めでたい時に掛けられる軸だそうです。端午の節句の鯉のぼりと同じで、これから出世する人を祝うという意味があります。


この句はもともと、『碧巌録(へきがんろく)』という中国の仏教書に入っている言葉です。中国の禹(う)という伝説の皇帝が黄河の氾濫を三段に分けて治水したという伝説があり、その三段に分けられた河は龍門と呼ばれているようです。
現在も中国には、
この伝説に基づいた三門峡市や三門峡ダムがあり、立身出世の関門を「登竜門」というのもここから来ているので、この伝説は現在の人々にもゆかりのある伝説だと言えます。


中国の聖人皇帝たち

中国にはこうした伝説の聖人皇帝が何人かいます。こうした聖人皇帝と呼ばれる人々は、黄帝~禹まで約7人ほどいるのですが、黄帝と禹ではどちらの伝説が新しいでしょうか?
実は、その聖人の存在・伝説ともに古ければ古いほど新しくなるのが一般的です。伝説を作るのは、「聖人」に協力してもらって自分達の思想の正当性を上げるためです。禹の伝説を作った人々に勝つために、その前の堯(ぎょう)・舜(しゅん)という聖人の伝説を作る人が現れ、その堯・舜の伝説を作った人々に勝つために黄帝の伝説を作る人が現れたのです。

具体的には、兼愛非攻を説いたと言われる墨子が禹の伝説を作りだし、その後孟子などの儒教学派が堯・舜の伝説を作り出し、最後に老子学派が黄帝の伝説を作りだしたと言われています。これによって中国で流行った思想の順番も分かるんです!