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4月9日、入学式翌日。
新入生たちはもう一度、
入学式が行われた県民文化会館(現ひめぎんホール)
に集められる。

それは、大学生としての生活への注意点などを、
先生方や、先輩方に教えてもらうためだ。

その日、
3回生の僕もそこに来ていた。
後輩達に先輩としてアドバイスをするという名目で、
漫才を披露するためだ。

2、3週間前、
落語研究会の部長であり、
僕の相方でもある「ゆうや」が、
妙に仲の良かった生活指導の職員から、
直でタダの営業を取ってきたのだ。

「漫才で生活指導してくれ」
そんな依頼をする職員は、
今考えてもぶっ飛んでると思う。

その依頼を余裕で引き受けて、
前日の夜、徹夜で考えた、生活指導とまったく関係ないネタをやろうとする、
僕たち「ユニットバス」はもっとぶっ飛んでいた。

「それでは、ユニットバスさんお願いします。」
前までの一切笑いのない空間に響き渡る放送部の澄んだ声。
出囃子、拍手一切ない。
僕たち二人が袖から出てくる、
と同時にセンターマイクが上がってきた。
2000人強の新入生は、ついてないテレビを見るような目で僕たちを見ていた。

「どーもー、ユニットバスです!」
ギリギリ、パラパラの拍手が起こった。

そこから始まるシュールなネタの数々。
なかなかあったまらない。

中盤、徐々に柔らかくなる。

そして終盤。
僕が作詞作曲した「こたつ」を歌った。

Aメロ後のラップ
「弱でも強でも、おんなじ強さ!×10」
のあたりからウケだし、
最後の創作ダンスは、
若手とは思えないほどタップリとした間で、
爆笑をかっさらった・・・。

6分くらいの舞台終了。
そのまま袖を通過し、
挨拶なく外へ出て学食へ行った。

僕は260円の日替わりと小ライスと20円の味噌汁を食べていた。
その後たくさんの新入生から声をかけられた・・・。


その舞台に15年強後、
再び上がっていた。
噺家として。

それが6月の最終日曜日だった。

一月強経っている。
Facebookで松山東高のOBの方一人から連絡を頂いた以外、
誰からも連絡がない。

一人くらいあるかなと思っていたのに・・・。

その後大学の校内を歩いてみた。
15年前は声をかけられたが、
日曜日の校内は、人の姿すらまばらだった。

僕は、工学部の前にある、完全なサラ地を歩きながら、
もう一度あの時のようになるために、
一から出直す決意をした。

井上「バカはデビュー前からやな!」

写真は学祭の時のいつもの教室。

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