「強制連行」など記述、朝鮮人追悼碑問題 福岡・飯塚市、NPO法人に文言修正促す
福岡県飯塚市の市営飯塚霊園内に、「強制連行」など日本の戦争責任を一方的に非難する内容の朝鮮人追悼碑がある問題が9日、同市議会12月本会議で取り上げられ、菅成微・都市建設部部長は、追悼碑を管理するNPO法人の理事長に、文言の修正を促したことを明らかにした。藤浦誠一議員(いつか会)の一般質問に答えた。
追悼碑は霊園内の「国際交流広場」と呼ばれる市有地にある。平成12年、NPO法人「国際交流広場無窮花(ムグンファ)堂友好親善の会」(無窮花の会)の前身組織が建立した。
問題の碑文は「日本の植民地政策により、数多くの朝鮮人が日本に強制連行され、筑豊には15万人にも上る朝鮮人が炭鉱で過酷な労働を強いられ、多くの人びとが犠牲となりました」などと、日本語とハングルで記されている。
朝鮮半島出身者が筑豊の炭鉱で働いていたのは事実だが、「強制連行」の実態や「15万人」という人数について詳しいことは分かっていない。外務省は昭和34年、「第二次大戦中、内地に渡来した朝鮮人は、政府が強制的に労働させるためにつれてきたという誤解は事実に反する」と発表している。
この日の答弁で菅氏は「歴史認識は一市町村ではなく政府の動向に沿って考えるべきだ。誰もが国際交流ができる広場にある碑文として修正を検討してほしいと、NPO法人の理事長に伝えた」と述べた。
追悼碑の建立にあたっては、市とNPO法人の前身が覚書を交わした。追悼碑に付属するようにこま犬や、朝鮮人の苦難の歴史を紹介する写真パネルが埋められた壁「歴史回廊」が、この覚書で記した場所ではない市有地に建てられたことも明らかになった。この点についてNPO法人側は、口頭で合意したと主張しているという。
菅氏は産経新聞の取材に「NPO法人が主張する(強制連行されたという)15万人という数も、公文書で確認できていない。覚書にない部分については、碑文の修正や撤去も含めて検討を促す」と語った。
追悼碑をめぐっては地元住民らが今年9月、「反日広場になっている」などとして、飯塚市の斉藤守史市長らに、NPO法人と見直しを協議するよう求める陳情書を提出した。 (産経新聞 奥原慎平)
http://www.sankei.com/region/news/151210/rgn1512100055-n1.html より 転載