九州紀行4 | 三十九さんの部屋

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いざゆかん!民のために!

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漫画とかによくありそうな、焼かれてふくらんだ餅みたいな岩。こんな形になるまでどれほどの年月がかかっているのだろう。

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時間がたつにつれ、だんだん引き潮になっているのに気がついた。ここへ到着したころ、このあたりは完全に水面の下だったはず。潮が引いて岩場が露出している。

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さて今回、ここでなにを探していたのかというと、これだ。この海岸では鉄分を含んだ赤い瑪瑙を拾うことができる。砂利の多い場所を探していると、こうやってオレンジ色のものが見つかる。なぜここを知ったのかというと、たまたま海岸での石探しをしようと思ってネットで情報を検索していると、ある大学のサークル活動のサイトに行き当たり、そこでこれを拾っている記事を見つけたのだ。そこでは具体的な地名を伏せていたのだが、写真の風景と、記事に書かれた珪化木によって場所を特定できたのだ。まさか当人たちはこの場所を知っているのが自分たちだけとは思ってはいないだろうが、いいヒントをくれたものだ。
さらに、今日ここへ到着したときに現場にいた先客の団体は実は彼らだった。もしかして、この連休中にもまたここへ来るのではと予感していたが、見事にあたった。あとで彼らのサイトをのぞくと、場所は書いていないが、この日に「宝石探し」をすると書いてあった。目撃したメンバーには鉱物採集用のハンマーを持っていたのもいたので間違いない。
今回は彼らに先駆けて来ていればもっと拾えたかもしれない。
きれいなものもいくつか拾えたのは彼らの取りこぼしと、潮が引いたおかげか。

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さきにオレンジが入った石を目撃していたが、実はそれが母岩だった。見ると、そういう岩がごろごろしている場所がある。やはり礫岩の隙間を埋めるようにオレンジ色が入っている。

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引き潮で現れた足下の岩場もそういう岩盤になっている。

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海岸背後の露頭にも同じ礫岩が現れている。これを割れば瑪瑙が取り放題だが、だからといって、それが質がいいとはいえない。

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このオレンジのはみな瑪瑙なのだが、実際に割ってみるともろいものや透明感のないものが多い。これらの岩石が割れて波に洗われ、そのうちに硬くて質のいいものが小石になって打ち上げられたものを拾うと、宝石質のきれいなものが手に入る。これでここの瑪瑙の小石がどうやってできたのかという謎が解けた。
ではなぜこういう岩石の隙間に瑪瑙ができたのか?瑪瑙は水晶と同じ珪酸が成分だが、礫岩ができるときに珪酸を含んだ熱水が隙間に入り込んで徐々に冷えるうちに結晶したのか?

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ひととおり採取を終えて砂浜に戻ると、かなり潮が引いている。あちこちで露出した岩場でなにかを採取している人たちがいた。

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バス停のほうへ戻るとき、さっきの湾を見るとそこでも潮が引いて海水がなくなっている。見るとそこへ百人以上もの人たちが群がって潮干狩りをしていた。

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船着き場でも貝殻が付いている場所を見るとどれだけ潮が引いたのかわかる。

次回、採集紀行伝 西国演義
第5話「博多の夜」
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