信州紀行5 | 三十九さんの部屋

三十九さんの部屋

いざゆかん!民のために!

きのこ歴30年。
その歴史の中でひときわ自分の記憶に刻まれ、そして後の世に語り継ぐかもしれない旅がある。
西暦2011年、日本は野田総理の時代。
菌学会は東北、関東、西日本3つの支部が互いに研鑽を競い、
荒ぶる猛者?が野山を駆け巡っていた。
採集紀行伝 信国演義!

少し前までは少年は外で遊んだ それが彼らの日常だった
ゲームと話すより泳いでる魚捕まえ きのこの名前など覚えたものだ
これはなに?彼が尋ねる ハラタケと我は答える
そのときすでに我は 少年を道連れにしている
先探しているから 迷わずに付いておいで
名前調べる頃を見計らい 図鑑出してあげるよ

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ベニテンが見つかった最初の場所で、後から発見されたもの。
最初ベニテンが見つかったという報告を聞いた参加者はそっちへ殺到したが、
知らず知らずのうちに別のきのこが倒されていたことには気がつかなかった。
この黄色いテングタケ型のきのこはタマゴタケモドキ。
一見、キタマゴタケみたいな色をしているが、カサの縁に条線がないこと、ヒダが白い(玉子茸は黄色)ことで区別できる。
しかもこれが猛毒きのこときた。
このときこれは初めて見たのだが、むしろベニテンよりも珍しいかもしれない。
これはぜひ生えているところの写真を撮りたかった。
姿形からすれば、「タマゴタケモドキ」よりも「タマゴテングタケモドキ」のほうがふさわしかったかも。別にタマゴテングタケモドキというきのこが存在するが、そっちのほうはむしろ「タマゴタケモドキ」といえそうな形をしている。

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これはシロヌメリイグチを切って部屋で撮影したもの。

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ベニテンも掘り出された全体を写しておく。
この個体、腐らないよう、宿舎の部屋近くに置かれている冷蔵庫に保管されていた。

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日和田高原ロッジの敷地には、センターロッジの他、森の中にコテージやキャンプ場がある。
翌日は朝5時に起きて、宿舎周辺を「散歩」することになった。
あくまで「散歩」だが、多くの参加者はカメラなどをフル装備していた。

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さっそく見つけたホウキタケの一種。
このあたりでよく見かけるタイプのものだ。

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ここでもシラカバの幹から生えるカンバタケがあった。

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ふと森の一角を見ると、クリタケが生えていた。
一見地面から出ているのだが、地中には木が埋もれていた。
これはどうやら、丸太を地面に埋めて栽培しているようだ。
どうりでうまく生えすぎている。

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久しぶりに見たヤマブシタケのお姿。
名前の由来は山伏の装束に付いている白いぽんぽんみたいのに似ているから。
ヤマブシタケはスポンジ状の構造をしており、むかしは下戸(酒の飲めない人)がこれの乾燥品を宴席に持ってきて、酒を吸い取らせて飲んだふりをしたということから「ジョウゴ(上戸)タケ」とも呼ばれるようになったという。

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あたりはミズナラ、シラカバ、カラマツ、ツガなどで構成される実にすがすがしい森。

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森の中にはコテージが点在しており、このときも使用中のものがあった。

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次回、採集紀行伝 信国演義
第6話「ベニテン求めて」
いざゆかん、民のために!