
ツブカサオニイグチ Strobilomyces sp.
担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ綱ハラタケ亜綱イグチ目イグチ科オニイグチ属
strobilomyces ストロビロミケス(マツカサ状の菌)
オニイグチ属は正体不明の類似種が多数隠されており、その正確な同定は非常に困難といわれる。
写真の個体も一見、オニイグチモドキのようでもあるが、カサの表面には非常に細かい尖った鱗片が覆っている。柄や管孔などの特徴はオニイグチなどと似ている。
写真のものは11月にシイやコナラ、アカマツなどが混じる雑木林に発生。
柄の上部が太くなり、柄に比してカサがちょっと小さいようにも見える。
こうしたものは「ツブカサオニイグチ」と呼ばれている。

管孔は白っぽいが、傷ついた部分が黒くなっている。

左の一群はオニイグチモドキ、右側がツブカサオニイグチ。
なんか異様に気持ち悪く見える。
このサイトは主にオニイグチ属の研究をしている人物のもの。
彼の研究によると、外見的特徴で4種類の形態が知られていたオニイグチ属において、DNAを分析した結果、14種の異なるDNAを持つものが確認されたという。
このことは、オニイグチ属菌だけに限らず、一見同じ種類のように見えるきのこでも、実際には遺伝的に隔離された種が複数隠されている可能性があることを示している。
同種とされるきのこでも、ちょっとかんじがちがうなあ~というものがたまにあるが、案外そういったものは別種である可能性もある。
かつて「ナラタケ」と呼ばれていたきのこでも、現在ではキツブナラタケ、オニナラタケ、クロゲナラタケ、ヤチナラタケなど多数の種類が認識されている。