
オニフスベ(鬼瘤) Calvatia nipponica
担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ綱ハラタケ亜綱ハラタケ目ハラタケ科ノウタケ属
calvatia カルウァティア(はげ頭)
nipponica ニッポニカ(日本産の)
夏~秋に竹藪や草むらなどの地面に発生。超大型きのこ。
全体が白い球形で、大きさは直径20~30cm、それ以上の50cmくらいになることもある。
幼菌時は白色で弾力があり、皮をむいた内部も白い。
成熟するとアンモニア臭のする黄色い液体を出して加水分解し、
表皮にひび割れを生じ、色も茶褐色になる。
外皮と内皮もはがれおちて、内部の綿クズ状の構造を表す。
内部は綿状の弾糸と茶褐色の粉末である胞子になる。
やがては蹴飛ばされ、転がったりして胞子をばらまく。
ホコリタケやノウタケとはちがい、無性基部がないので全体がぼろぼろにくずれていって、跡が残らない。
以前は腹菌類のホコリタケ目ホコリタケ科のオニフスベ属(Langermania)とされていたが、
分子系統による分類体系の見直しで、ハラタケ目のハラタケ科となった。
さらに属もノウタケ属となってオニフスベ属はなくなったとみられる。
何もない草原や庭園などに突如出現するので、見た人は一応に驚く。そのため、役所に連絡したり届けたり、新聞に取り上げられたりする。
そのようすはまさにバレーボールが転がっているように見える。
内部が白いうちは食用にされ、はんぺんのような食感とされるが、取り立ててうまいというものでもないようなので、そんなに価値があるとは思えない。


千葉県にて。こういうものがとれると同定会のスターになる。

成熟すると褐色になっていく。

しまいには茶色い綿クズ状になって胞子をばらまき、ぼろぼろになっていく。


京都御苑にて。

若いうちは内部が白くはんぺん状。

成熟しはじめると表面に網目模様があらわれる。