ドクヤマドリ | 三十九さんの部屋

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ドクヤマドリ(毒山鳥) Boletus venenatus Nagasawa

担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ網イグチ目イグチ科ヤマドリタケ属
boletus ボレトゥス(「bolos(土塊)」又は「bolites(食菌)」?
venenatus ウェネナトゥス(有毒な)

夏~秋に亜高山帯のモミ・ツガ林地上に発生。大型~超大型きのこ。
カサは淡黄褐色で表面はビロード状。
管孔は黄色から胞子の成熟に伴い黄褐色になる。
肉は黄色で傷つくと青変する。
柄は淡黄色で赤褐色の点状のしみができる。
一見、食用のようだが激しい胃腸系中毒を起こす。

2001年9月、信州で撮影。
むかし、イグチ類は毒きのこがないといわれていたが、ヤマケイの「カラー名鑑日本のきのこ」には有毒イグチとして掲載されていた。しかし、当時は記載されておらず、学名がなかった。
1996年に鳥取大学の長沢栄二氏が新種記載。
また中毒ばなしになるが、むかし、またこの人だが、きのこ写真の第一人者だったI氏がこれを試食。するとたちまち激しい下痢にみまわれて苦しんだという。よい子はまねしないように。

これも信州に行かないと見られないが、このビロード状のカサと柄の色の感じや質感を覚えると忘れない。黄色い肉が青変するのも大きな特徴。
むかしはイグチ類は有毒種がほとんどない優秀な食菌グループとされていたが、モエギアミアシイグチ、バライロウラベニイグチ、オオコゲチャイグチ、ウラグロニガイグチ、ニセアシベニイグチ、ミカワクロアミアシイグチなどの有毒種がある。
学研の「日本の毒きのこ」でも紹介されているが、現在のデジタルきのこフォトの第一人者が、赤いイグチを食べて臨死体験したという。
ヨーロッパでは「Boletus satanas ボレトゥス・サタナス(悪魔のイグチ)」という有名な毒イグチがあり、日本でも発生しないとはかぎらない。

食用とされるイグチでも、管孔部分は消化が悪いとされる。だから、大きなイグチを食べるときは、管孔部分をとってからのほうがいいかもしれない。