ヒメムラサキシメジ | 三十九さんの部屋

三十九さんの部屋

いざゆかん!民のために!

イメージ 1

ヒメムラサキシメジ(姫紫占地) Calocybe ionides

担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ綱ハラタケ亜綱ハラタケ目シメジ科ユキワリ属
calocybe カロキベ(美しいカサ)
ionides イオニデス(すみれ色の)

秋、湿った林内地上に発生。単生~群生。小型のきのこ。
カサはライラック色、赤紫褐色、青紫褐色でのち退色する。
表面は粘性なく平滑、わずかに軟毛がみられる。
ヒダは白色で密。
上生から湾生。
肉は帯紫白色で薄く、柄は中空の部分あり。
柄はカサよりも濃色で暗紫褐色、繊維質。
根元に白色菌糸あり。

11月下旬、御苑でヌメリスギタケモドキと同じ日に見つけた。
松やカシなどが混生する林内地上に発生していた。
写真のように一カ所に数本が群生し、それがさらに何カ所も散在していた。
最初はコンイロイッポンシメジのような紫色のイッポンシメジ属かと思ったが、それにしてはヒダが白い。イッポンシメジ属なら、ヒダが胞子の成熟でピンク(肉色)を帯びるはず。
本を見ているとどうやらヒメムラサキシメジのようだ。
しかしこれははじめて見た。
図鑑で見るともっと色淡く、カサも平滑だが、ここのは柄だけでなくカサまで暗紫色ともいうべき黒っぽい色をしている。さらに幼菌ではとくにカサがぼこぼことしている。
しかし、ヒダが白いこと、根元の白い菌糸、肉の薄さなどからヒメムラサキシメジでいいように思える。標本は保存してあるので、くわしくは顕微鏡で観察する。
胞子は円柱形又は紡錘形で表面平滑、非アミロイド。
シスチジアはないという。

「ヒメ」とつくきのこは多い。「ヒメ」というのが「小さい」という意味で使われるので、似たような種類の小型版という意味で名付けられた和名は多い。
ただ、このヒメムラサキシメジは、キシメジ科のムラサキシメジ属であるムラサキシメジとは類縁関係は近くない。

ということで、これが2010年最後のきのこ記事 かも

イメージ 2

ヒメムラサキシメジ発生場所。わかりにくいが、地面に棒を指している場所が個々の群生の発生地点。